漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

Q13 カゼには葛根湯という発想をなんとかしたい!

 立冬も過ぎ本格的に寒い冬になりました。カゼも引きやすい季節ですが、また忙しくてカゼなんかひいていられない季節でもあります。

 ゾクッとする寒さを感じたら早めに治しておきたいものです。カゼはこじらすと治りにくくなり厄介です。カゼは風邪とも書き、風が急に吹いたりやんだりするように急に寒気がしたり、発熱、鼻水、咳というふうに症状が「変化」しやすい病気です。

 寒気を中心にするカゼには温める働きのある葛根湯、発熱がつらいカゼには熱を冷ます働きのある天津感冒片を使います・・・というのは簡単過ぎです。

 もともと冷え性だったり、疲れている人には、ひどい寒気、体のだるさ、尿が近く多量で透明、腰や背中が冷えるといった症状の出る「陽虚感冒」があります。

 冷えがあるからと葛根湯を使っていると治すチャンスを失い症状は悪化してしまいます。葛根湯の脈は軽く手首を触るとすぐに感じる浮脈ですが、陽虚感冒では軽く触っただけでは脈はとれません。

 この場合には「麻黄附子細辛湯」を使ってください。ただちに。