漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

続・続 陰陽いろいろ 女性ホルモンいろいろ Q19 高温期をなんとかしたい!(加筆)

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高温期は14日以上。体温は36.7!

 ルティナス膣錠は化学合成されたホルモン剤に比べ安全性の高い天然型ホルモン剤です。ご承知のように内服ではなく膣坐薬で、成分はプロゲステロン(黄体ホルモン)で、受精卵の着床や妊娠の維持する作用があります。生殖補助医療での卵巣の刺激、採卵は黄体ホルモンの分泌を減少させてしまうため、妊娠を成功させるためには黄体ホルモンの補充が必要になるわけです。

 基礎体温表は「36.7℃」の線が濃くなっています。

 黄体期(高温期)の合格点が36.7なんですね。黄体ホルモンが分泌されると体温が上がりますが、このあたりまで上がらないと「黄体ホルモン不全」かな? と思います。逆に37℃以上は高すぎ。ホルモン治療をされていた方に見られます。低くとも高くとも子宮の温度環境は着床にはよくありません。

高温期は7日くらいしかなく体温が上がらないのは中医学では腎陽虚証かな?思います。腎臓は生殖の臓器、そこが冷えているのですね。よく子宮の冷えと言います。体感できる症状としては内股、へそ下、お尻の冷え、オリモノがサラサラなどがあるでしょう。黄体ホルモンは排卵すると分泌され体温は上がります。中医学的には「陽」の働き

です。陽には成長させる作用があるので受精卵はは育っていくのですね。だから病院では黄体ホルモンを使うのですが、よくホルモン変化を見てみると・・・

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低温期にでる卵胞ホルモンであるエストロゲンも高温期で分泌していますね。低温期に分泌されている卵胞ホルモンは陰陽で分けると「陰」の働きです。陰は物質ですから卵子の成長原料、内膜の増殖原料になります。普通低温期は14日ですが、高温期が短い人は低温期が長くて21日くらいあります。陰陽の運動バランスから言うとよくありません。陰14日、陽14日であるべきです。

陰陽バランスを調節するために高温期には陽を増やす漢方を使うのですが、高温期には陰のホルモンであるエストロゲンも分泌されていますので陰陽両方が増えるようにするほうがいいのです。陰陽いろいろのブログでも書いておきましたが陽を増やす鹿、陰を増やす亀の配合された漢方を使いたいです。

 

matsuedo.hatenablog.com

 

 

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