漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

 七草粥について

 お粥は米の中の栄養のエッセンスであり、消化しやすいので消化管に負担がかかりません。日本では梅干をのっけて病人が食べるもというイメージがありますが、中国や台湾へ旅行された方はおわかりですが、朝はみんなお粥を食べます。ピータンや漬物、油条をトッピングして食べる中華粥はたいへんおいしです。

 ベーコン、卵焼き、ヨーグルトといったウエスタンスタイルの朝食は油が多く起きたての胃袋には負担がかかりお腹が苦しくなりますが、お粥は消化もよいので負担がいいのでそのような心配がありません。

 インド医学では朝は排泄の時間。消化管は排泄が重要な仕事であり新しく入ってきた食べ物を熟す余裕はあまりありません。慢性便秘の改善の工夫はいろいろありますが朝食べないのも方法です。腸は消化管にあろうはずの食べ物を探すため動き始めます。(空腹のときお腹がグーとなる経験はあるでしょう。あれは腸が動き出したんですね)

 7日の朝食べる七草粥も、正月食べ過ぎて負担がかかった消化管を労わるために食べます。ただ一日だけのイベントとは思わずに、毎日朝は消化管に負担がかからない食事をしたほうがいいですね。

 七草はセリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ(カブ)・スズシロ(大根)で、1月、2月にとれる野菜です。6日のよるに切り刻んでおきます。今はスーパーで売っています。それぞれに薬効がありますが、あまり煮てしまいますとビタミンも壊れるし精油成分も飛んでしまいますから、お粥の煮える五分前にいれたらいいでしょう。