漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

Q27 こじれた風邪をなんとかしたい!

こじれた風邪は葛根湯では治りません。

中医学的に考えると、邪の位置が違います。葛根湯はまだ邪(寒さやウィルス)がまだ皮膚上にあり、皮膚上で抵抗力と戦っています。主な症状は「寒気・発熱」です。体の抵抗力が強ければこのような症状はすぐに治まります。抵抗力の勝利で風邪は治ったということですね。

 ところが邪が強かったりまたは抵抗力が弱かったりすると邪が体の中にまで進行し抵抗力は後退します。戦いは長引きなかなか勝負がつきません。

 症状としては 発熱⇒汗⇒寒気⇒発熱⇒汗・・・というふうに繰り返します。汗がでても再び寒気がしてなおりません。気分は落ち込み、口が苦く感じ食欲がなくなるとい症状がでてきます。

 戦場がもはや皮膚ではなく体の中ですので葛根湯は無駄です。この場合には小柴胡湯を使います。

 生理後、出産後の女性は抵抗力が弱いので、いきなり小柴胡湯を使う症状がでてくることも多いです。