頭痛には漢方が良く効くはずですが、「下手な鉄砲も数撃ち中る」的な使い方が医師も薬剤師も多いですね。
ツムラの効能効果の文章をなぞっているだけでは漢方薬は選べないと思います。
片頭痛外来に受診されていた方が相談に来られましたが、クリニックでは「葛根湯」
が処方されていました。葛根湯は後頭部の頭痛(太陽経の頭痛)には効くでしょうが
痛む箇所が異なればまったく効きません。慢性頭痛でポイントは痛む部位(後頭部
側頭部 眉間 頭のてっぺん)です。ここでどの臓器の異常かが判断できます。
私の相談で多いのは、側頭部(こめかみ)がドックンドックン張るように痛くなるタイプです。のぼせたりクラクラや目がチカチカすることもあります。肝陽上亢証ですが、これにぴったりの処方が日本にありません。ので、あるものを組み合わせて使います。知柏地黄丸+降圧丸+鼻淵丸を使います。
また目が明けていられないくらい目の奥が痛くなる肝血不足。顔色は白かったり
精神不安もあるかもです。婦宝当帰膠+鼻淵丸を使います。
副鼻腔炎(鼻淵)の漢方を加えるのは中に蒼耳子、辛夷という止頭痛の薬が入っているからですね。
つらい痛みも正しい処方を使えばけっこう早く治りますよ。