漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

Q43 ストレス性の脱毛をなんとかしたい

中医学を講義している学生たちに「血虚証の女の子とは浮気してはだめだよ」と言っています。血虚とは血液不足傾向の体質と指しますが毛が抜けやすいのです。長い毛がついたままの服を着て気がつかないでいたり、家に連れ込んで枕に髪の毛がついているのを奥さんに発見されては大変です。

中医学では髪は血の余りと言い、血の少ない人は脱毛や白髪、ツヤがないなどの状態になりやすいのです。

血が少ない体質の人などたくさんいますが、これらの人が強いストレスを受けると円形脱毛症や全身の毛が抜けてしまう(髪の毛から眉毛、産毛まで)ことがあります。

うちの患者さんでも認知症の姑の介護が引き金となり最後には全身の毛が抜けてしまいました。病院ではプレドニンの投薬を提案されましたが、しばらく様子を見ましょうということになり相談に来れれました。

ストレスにより免疫が異常になり自身の毛をも異物と認識して排除してしまっている病態なのでプレドニンで自身の免疫力を下げておくのでしょうね。

血虚生風という言葉があるのですが、血液不足は風を生む、風のように急に吹くつまり急に発病して風に吹かれるように髪の毛が抜けていく状態を指すことも有るでしょう。(他の病態でもありますが)

この患者さんには風(抜け毛)を治すにはまず血を治せという治療法に沿い漢方薬を決めていきました。また免疫系の異常ですから免疫を整える漢方薬も使いました。

しばらくして今までの毛はすべて抜けあとから頼りない毛が生え始めました。患者さんは残っている毛は抜けないで禿げた箇所からは黒い毛が生えてくると期待しますが違うようです。すべて抜けてそれからちょぼちょぼ生えてきます。

今ではこの患者さんは黒黒とした髪の毛 眉毛が生えて治ったと言えますが、それまでは焦らず治療することです。

松江堂薬局は水曜日は夜10時まで漢方相談をしています。会社帰りの方々に好評です。