漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

国際中医師試験解説(中薬学)1

[発散風寒薬(辛温解表薬)]

22 発汗解表作用と利水消腫の二つの効能をもつ薬はどれか?
   A  麻黄・荊芥
   B 香薷・紫蘇
   C 生姜・桂枝
   D 麻黄・香薷 
   E 防風・白芷
[解答]D
   麻黄の最後の効能に利水があったよね。麻黄と同じ作用があるのは香薷、香薷あって麻黄にないのは「和胃化湿」作用。季節的に湿邪が内生しやすいく風寒邪を受けやすい夏にはの解表+化湿作用がある香薷が適切だったので李時珍は「夏の解表薬」と呼んでいたね。香薷と藿香の作用の違いも確認しておこう。
   ただ同じ利水消腫でも麻黄の場合は表証を伴う「風水証」に限定。解表することで肺の宣発粛降、肺主水を治すことで利水させるんだったね。水腫、小便不利に発汗利尿させるんや。香薷の利水は風水証以外でも使用できる。ちなみに内科で風湿感冒の代表方剤は新加香薷飲やで、藿香正気散ではないから注意しとこうな。

24 表証を兼ねる水腫の治療でまず選ぶべき薬はどれか?
  ということでこれは楽勝→D 麻黄

25 解表には生、平喘には炙用するのが適する薬はどれか?
  A 桂枝
  B 麻黄
  C 防風
  D 荊芥
  E 紫蘇
[解答]B
  ぶっちゃけ去邪して肺の宣発粛降を元に戻す作用があればみんな平喘の効能はある。ただ麻黄はエフェドリンが成分なので直接的な鎮咳作用があるんや。蜜炙すれば潤肺止咳作用が増強するな。止咳薬の百部や款冬花も蜜炙やで。ちなみに款冬花は冬に花が咲くんや。