27 下記の項目で、発散発表、行気寛中という働きをもち安胎もできる薬はどれか?
A 羌活
B 白芷
C 細辛
D 紫蘇
E 生姜
[解答]D
紫蘇と生姜。共通点は刺身三点盛についてくる点や。だから帰経は脾。解表薬だけど力は弱い。だから解表ではなく発表というふうに表現されることがあるやろ。
同じ脾に作用するが紫蘇は行気寛中、生姜は温中や。妊婦のつわりで脾胃気滞がある場合に使えるのは行気作用のある紫蘇になるな。
28 風寒表証、風熱表証のどちらにも配合できる薬はどれか?
A 麻黄
B 桂枝
C 荊芥
D 羌活
E 細辛
[解答]C
神農本草経では荊芥は微温や、だけど本草綱目では「疏風熱、清頭目、利咽喉、消瘡腫」と涼性としての記載があり医家はその目的で使ってきた。みんなの使う銀翹散、天津感冒片にも入っているで。解表薬のなかで一番温か涼かがはっきりしないのが荊芥。だから辛温解表薬だけどしれっと「寒」ぬいて「去風解表」だ。
29 荊芥は散風の常用薬である。下記の項目で荊芥の使用に適しない証候はどれか?
A 風寒表証
B 風疹掻痒
C 風熱表証
D 麻疹不透
E 風湿痺痛
[解答]E
荊芥のポイントは①風寒表証、風熱表証どちらも使える。
②去風⇒止痒。「無風不痒」の考えやね。
③透発(麻疹、風疹)
④止血(炭)→問30(便血、崩漏の治療)
麻疹(はしか)は小児の伝染病「内薀熱毒、外感天行」や。熱毒はウィルス、天行は気候。四大重症、四大険症の一つ。
感染すると、発熱、咳嗽、涙目など風熱感冒のような症状がでるが3,4日経つと顔や頬に赤い斑点が出始め胸や背中、四肢に広がり全身に赤い斑点ができる。これは順証で予後はよい。ところが熱毒が強く斑点が広がらず多くなく色が紫黒の場合は麻疹不透で逆証といい予後はよくない。麻疹の病毒が外周を循環していて内臓への損傷がない初期のうちに透発が必要になる。