漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

国際中医師試験解説(中薬学)6

[清熱薬・清熱瀉火薬]

問49 生石膏がもつ効能はどれか?
 A 清熱瀉火 除煩止渇
 B 清熱瀉火 清肝明目
 C 清熱瀉火 滋陰潤燥
 D 清熱瀉火 涼血解毒
 E  清熱瀉火 利湿退黄
[解答]A
 清熱瀉火薬=清熱の範囲は限定!温病気分熱・雑病の臓腑気分熱。
  ①温病:衛分熱→気分熱→営分熱→血分熱=高熱あり。
    (衛分熱は表熱証だから辛涼解表薬を使う)
 ②臓腑気分熱(心・肺・肝・胃)=高熱なし。
 石膏は「白」だから帰経は肺・豆腐を食べる=帰経は胃 (豆腐を固めるときに石膏を使う)
 性味は甘+寒=生津作用あり。

問50 生用は清熱瀉火、煅用では清熱瀉火の薬物はどれか?
[解答]C 石膏
 内用は清熱瀉火、外用では清熱瀉火。石膏を粉にして患部にかけるため結晶水を火で飛ばす必要がある。

問52 性味が苦甘寒で肺胃腎に帰経する薬はどれか?
 A 山梔子
 B 黄連
 C 知母
 D 薄荷
 E 大黄
[解答]C
 帰経を石膏と比較=腎が加わっている。腎陰虚火旺=母の更年期=母を知る=知母
 
問53 清肺胃実熱も滋腎陰退虚熱もできる薬物はどれか?
 [解答]D 知母 
 清熱薬は「苦味」であり燥湿作用がある。したがって陰虚にはふつう使えない。しかし苦味の最後の作用に「堅陰」がある。この作用は例外的で知母と黄柏だけである。