秋になると空気が乾燥するため肌や髪、顔に潤いがなくなるばかりではなく、気道も乾燥してしまいます。
気道の粘膜が乾燥すると外気からのウイルスを粘液が絡めて痰として外へ排出することができなくなり、ウイルスは容易に肺にまで入り込み炎症が起こり発熱や悪寒、咳が出始めます。
インフルエンザウイルスであればインフルエンザ、新型コロナウイルスであれば新型コロナに感染することになります。
外からの邪気は鼻や口から気道を通り肺臓に侵入してきます。中医学では気道は肺臓に属するので肺を潤す漢方を使い気道粘膜を潤し邪気が身体に入り込まないようにします。
口が乾いたら蜂蜜やレモン汁を溶かした白湯をこまめに飲むのもよいでしょう。
また秋は日照時間が短くなり気分が落ち込みやすくなります。五行学説では秋は金に属し、五臓では肺、五志では悲になります。秋は悲しくなりやすいのですね。
「ケイ玉膏(ケイギョクコウ)」は地黄(ジオウ)が処方されており肺臓を潤し、空咳、声がれなどによく使われますが、地黄には生命エネルギーである「精」を補充する力があります。
精は腎臓に蓄えられていますが、腎は生命の基本である生殖を担当する臓器です。腎の精が充実すると活力がでてきます。五神論では腎は志です。やる気を出して物事を遂行するには腎精が充実していなければなりません。こう考えると腎の精は性ホルモンに該当するのかもしれません。
また腎精は免疫能力も兼ね備えています。
中国では冬は「貯える」季節であり活動的になる春に備えます。これを「冬令進補」と言います。食事でも滋養のあるものを食べ身体の精を貯えます。
総合して考えると感染病の予防、身体を潤す、活力をつけるということのできるケイギョク膏は今から服用しておくとよい漢方薬です。
軟膏というと日本では皮膚に塗る薬ということになりますが、実は内服する軟膏もあるのです。

ケイギョク膏が自身に合うかどうかはオンラインでご相談ください。