漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

花粉症

春になると辛い花粉症が始まります。

丈夫な人も弱い人も関係なくかかります。今までの中医学の考え方が通用しません。最近は「稟賦(ひんぷ)不耐」と考えるようになりました。稟賦とは生まれつきという意味です。

体質が強いか弱いかとは関係なく遺伝子の部分で問題と言うことです。生まれつきなので完治は難しいです。ただその期間の不快症状を回避することにポイントを置きます。

日本では小青竜湯をよく使いますが、これはアレルギー反応のくしゃみや鼻水を抑える薬ですから予防にはなりません。

中国では稟賦(ひんぷ)不耐により鼻粘膜の防御力が弱くなっていると考え、粘膜の防衛力、衛気を強くし花粉が侵入してもアレルギー反応が起こらないようにする玉屏風散(ぎょくべいぶうさん)を使うようになりました。これなら鼻水が垂れる前に治してくれます。これはもともとカゼをひきやすい人の体質改善で使われていた処方です。これを花粉症に応用したのです。

肺は異物が侵入しないようにする門番ですが、この肺を守る兵隊が衛気なのです。ところが異物の力が強く肺の門をを突破して本丸の腎にまで押し寄せてきた場合には、腎を守る衛気が活躍します。

腎を守るのは麻黄附子細辛湯になります。

花粉以外にも寒暖差でも鼻水がでます。