買い物しようと街まで~(^^♪
サザエさんでもそうですが人はうっかり忘れる、覚えられないということがよくあります。
人は忙しかったりいろいろ悩みがある状況ではなかなか覚えられない、うっかり失念してしまうことが多いのです。
しかし財布を取りに家まで戻ったりが度々では生活に支障がでますし約束を忘れていたり言われたことが覚えられなかったりでは社会からの信用や評価が落ちてしまいます。
当薬局のクライアントさんに多忙なビジネスマンがいらっしゃいます。彼はスケジュール表で時間をすべて管理していますが最近は物忘れに悩んでいます。
また、お孫さんのことで悩みのあるおばあちゃんもウッカリが多くなってきました。
前者は「こうしてああして」という段取り、後者は「あれやこれや」の悩みですが、どちらも心の血液を消耗していきます。心は「こころ」と読めます。中医学では大脳の働きを心で考えているのです。現代医学でも心臓の冠状動脈から送られた血液が心臓自身を栄養を与えていますが、中国医学でも心は血によって営養されると考えています。
考えすぎで心の血が消耗すると、営養してくれる血も少なくなる、消耗が進むという悪いスパイラルが生じます。
こうなってくると、妙な焦り不安感動悸など他の心の症状も出てきます。
宋代の厳用和という中医師は、思慮過多により心が労耗したことによる動悸健忘を治す処方を考えました(1253年)これが「帰脾湯(キヒトウ)」です。この処方は高く評価され広く使われるようになり、いつかの改良が加わり現在でもよく使われています。
今から762年前の思慮過多(考えすぎ)による物忘れの患者さんに処方されていた薬が今もなお必要とされ輝き続けているのは不思議な気がしますが、現代人もよく効きます。