漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

中医学と落語

落語「猫定」と回向院 猫招き

うちのニャジラくんです 昨年のクリスマスの日に亡くなりました。享年10歳です。甥が大学生の頃、筑波の山から拾ってきた猫です。可愛がっていたのですが卒業後海外に行くことになり飼えなくなり引き取りました。うちに来たのは8歳の頃で、伯父には全然懐…

ガマガエルと動悸と落語ガマの油

風水カエル。脚が3本しかありません。* 蟾酥(せんそ)ヒキガエル科のシナヒキガエル(中華大蟾蜍)の耳後腺や皮膚腺から分泌される乳液を加工乾燥したものです。有毒で目に入ると激しく痛みます。しかし痛みを止める作用は強く、歯痛で粉末を局部に外用しま…

落語「天狗裁き」と夢をよく見る⇒不登校へ (こころと漢方)

陰陽睡夢論 再び 戦国時代の思想家で道教の始祖の一人、荘子(荘周)の有名な説話に「胡蝶の夢」があります。 [原文] 昔者莊周夢爲胡蝶。栩栩然胡蝶也。 自喩適志與。不知周也。俄然覺、則蘧蘧然周也。 不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與。 周與胡蝶、…

怒りっぽい 落語「小言幸兵衛」

「肝気鬱結」という状態が続くとどうなるでしょうか?怒りすぎは体によくありません「肝火上炎」という状態に一歩上がります。気は流れることができずにやがて逆流しはじめやがては炎上するのです。ちょうどガス管が爆発するのに似ています。こうなると感情…

人の性格と臓腑の関係 落語「胴乱の幸助」

中医心理学の柱のひとつに「神形合一論」があります。神とは精神であり宗教の神様の意味ではない。形は身体です。この2つは離れることはできず精神が作用するには身体が必要であるし身体も精神があって活動できる。また「五志七情論」では七つの感情(喜、…

落語「質屋蔵」草木も眠る丑三つ時(こころと漢方)

丑三つ時には幽霊やおばけ、妖怪がなぜでるのでしょうか? 時刻でいえば丑の刻は夜中の1時~3時の2時間。2時間を4つに割ると丑三つは2時~2時30分に当たります。方角でいえば鬼門、鬼の通り道です。陰陽道からの解説もいろいろ詳しくでていますので…

落語「死神」から説明する中医学的「死」という現象

落語の死神では人の寿命はその人の持っているロウソクの状態でわかるということです。 ロウソクが大きくて炎に勢いがあれば元気ですが短くなっていて炎がゆらゆら揺れて今にも火が消えそうならそろそろ臨終です。 中医学では生命のエネルギー源を「精」と言…

落語「疝気の虫」から漢方薬の温性、涼性を説明する

神農本草経の収載薬物の種類は365種。4000~5000年前の神様、神農の名前が付いていますが、後漢から三国の時代にできた中国最古の薬物書です。伝説では神農様が草を舐めてその薬効を分類していったということです。時々毒草に中って倒れますがお…

落語 天災 言葉で説得する療法(こころと漢方)

黄帝様の疑問について、岐伯がお答えいたします。 気の荒い八五郎は今日も母親を蹴飛ばし、挙句の果てに隠居の家に離縁状を母親に出すから代筆をしてくれと頼みに来る。呆れた隠居は心学の先生、紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)先生のところへ話を聞きに行っ…

落語 代脈 寝ているより動け!(こころと漢方)

落語の「代脈」をお聞きになったことはありますか? 江戸・中橋の古方派の医師、尾台良玄は弟子の銀南に患家に往診に行かせる。患者は大家のお嬢さん、前回良玄先生が往診で腹部のしこりに気づきそれを押した途端お嬢さんは放屁をされ顔がみるみる真っ赤にな…

落語 崇徳院の若旦那に思う(こころと漢方)

落語の「崇徳院」をご存知でしょうか? さる大家の若旦那。上野の清水さんへ参詣し茶店で休んでいると「齢は十六七の水もたれるような」美しいお嬢さんがお供の女中を連れて入ってきた。若旦那は一目惚れしてしまうが、名前も聞かずに別れてしまう。それから…