漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

中国茶 工夫茶 新しい茶壺の使い方

中国茶を飲む前に急須を「開壺」をしよう。

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お茶会の様子です

友人の王君から紫砂壺を頂きました。
江蘇省宜興が原産で、明代から作られている紫砂を原料とした急須で大変高価なものです。

紫砂から作られているため土臭さが残っているのではじめに「開壺」という作業が必要です。今回は伝統的な方法で「開壺」していきます。この作業は中医学的にも解釈ができます。
必要な材料
 豆腐(木綿)・サトウキビ(なければ砂糖)・烏龍茶の茶葉

①熱身

お湯で洗いホコリや泥を洗い流し、鍋の中で1時間煮沸します。この作業で土臭さを除きます。その後取り出し熱が下がるまで放置します。

②降火

紫砂壺はカマドで高温で焼かれていますので「火気」が大きいです。そのため豆腐を詰め込んで冷水の中に入れ加熱し沸騰してから5~10分後に取り出し熱が下がるまで放置します。中国では豆腐を作るときに石膏を使います。中薬の石膏には清熱の効果があるので豆腐で紫砂壺の余熱が冷まるのを待ち水で洗い豆腐を取り出します。

③滋潤

紫砂壺をサトウキビと一緒に鍋の中に入れ1時間煮ます。サトウキビの天然の糖分が紫砂壺に入り込み茶壺にツヤが出てきます。サトウキビがない場合には白糖を使います。

④重生

紫砂壺の熱が冷まったら、これから紫砂壺で飲もうと思っている茶と同じ茶葉と冷水の中に入れ加熱し沸騰してから10分後取り出して茶葉でこすります。これにより孔の中にお茶が染み込んで行きます。

⑤定味

お湯で洗います。
これで開壺作業は終了です。美味しいお茶を淹れてリラックスしましょう。

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