漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

中医心理学

夏はコーヒー、緑茶、麦茶? 

毎日毎日、どのチャンネルも地方歩く番組、クイズ番組、健康番組、林○、マツ○でウンザリしているのは僕だけでしょうか? 昨晩は夏の日射病対策にはコーヒーか緑茶かというクイズしてました。正解は緑茶ということでした、実験では体温があまり上昇しないので…

格言療法(こころと漢方)

座右の銘はと聞かれて慌てた経験はないでしょうか? なんかありがたいお言葉をどこからか引っ張り出してきてその場を凌いでいないでしょうか?本を出版したり、先生業をしたりしていると本に書いてくれとか卒業式の色紙に書いてくれと頼まれます。昔は右往左…

マタニティーブルー(産後うつ)は中医学で。

大棗。加工されてお菓子としても売っています。 東京23区で2005年から14年までの間に63人もの妊産婦(妊娠から産後1年、まで)が自殺で亡くなっていることが分かりました。産後の自殺の原因では産後うつが一番多かったそうです。割合にすると出産…

人はなぜ夜になると眠くなるのか、そしてなぜ夢を見るのか?(前)(こころと漢方)

森羅万象はすべて陰陽の運動により成り立っています。一日24時間でいえば陽気が段々と盛んになってくれば明るくなってきます。昼くらいには陽気はマックスになり明かるいです。夕方は陰気が盛んになり始め、陽気はだんだん減っていくので暗くなってきます…

桃には霊力があり邪を排除しました。(こころと漢方)

北宋の詩人 王安石が元旦の人々の様子を詩にしています。 爆竹の音を聞きながら一年を送った 暖かい春風のなか、屠蘇を飲む 払暁の陽光が家々を照らす 皆、旧い桃符を新しいものに取り換える 爆竹声中一歳除 (爆竹声中一岁除, ) 春風送暖入屠蘇 (春风送暖入…

第4回 スピリチュアルなアレコレが好きな心理臨床家の会

龍谷大学臨床心理学科教授 東豊先生、精神科医 蒲生裕司先生主催の心理臨床研修会で講演をします。テーマは「心理臨床と中国医学」ですが、中医学の七情理論を心理臨床系の人たちがどう感じるか興味深いです。また羽田守快住職の「霊障と漢方薬」というテー…

紅楼夢で今までの復習(こころと漢方)

中国四大奇書のうちの一つ「紅楼夢」は清朝乾隆帝の時代に曹雪芹によって書かれた長編小説です。主人公の賈宝玉(か・ほうぎょく)は上流階級の賈氏一族の貴公子であり、物語には林黛玉や薛宝釵薛宝釵など美少女が登場します。 林黛玉は才能もありプライドが…

曹操の頭痛 中医心理学から考える(こころと漢方)

三国志 曹操の頭痛については「脳腫瘍」であったというのが現在の定説です。では三国志の時代、今から約1800年前に曹操を診た華陀は実際にはどのような診断をしたのでしょうか? 「頭痛は風痰が原因です。病根が脳の中にあるため薬を服用しても治らない…

中医心理学では薬の名称にも一苦労(こころと漢方)

地竜はミミズ、李時珍の《本草綱目》では「蚯蚓」という名前で収載されています。日本でもミミズは優れた解熱効果があり乾燥させて服用させています。アスピリン喘息の患者さんはアスピリンや他の解熱剤の服用で発作が誘発されてしまいますが、このような患…

落語 天災 言葉で説得する療法(こころと漢方)

黄帝様の疑問について、岐伯がお答えいたします。 気の荒い八五郎は今日も母親を蹴飛ばし、挙句の果てに隠居の家に離縁状を母親に出すから代筆をしてくれと頼みに来る。呆れた隠居は心学の先生、紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)先生のところへ話を聞きに行っ…

杯中の蛇影 思い過ごしは病気になります(こころと漢方)

ある人が酒を飲もうとした時蛇の影が盃に映った。その人は蛇を飲み込んでしまったと思いこみそれ以後具合が悪くなってしまった、ところがある日それは盃に映った弓だということがわかり、それから病はすっかり治ってしまった。疑いの目でみているとなんでも…

落語 代脈 寝ているより動け!(こころと漢方)

落語の「代脈」をお聞きになったことはありますか? 江戸・中橋の古方派の医師、尾台良玄は弟子の銀南に患家に往診に行かせる。患者は大家のお嬢さん、前回良玄先生が往診で腹部のしこりに気づきそれを押した途端お嬢さんは放屁をされ顔がみるみる真っ赤にな…

落語 崇徳院の若旦那に思う(こころと漢方)

落語の「崇徳院」をご存知でしょうか? さる大家の若旦那。上野の清水さんへ参詣し茶店で休んでいると「齢は十六七の水もたれるような」美しいお嬢さんがお供の女中を連れて入ってきた。若旦那は一目惚れしてしまうが、名前も聞かずに別れてしまう。それから…

暑くなると多くなる事件(こころと漢方)

最近痛ましい事件が多すぎ悲しくなります。でも不謹慎かもしれませんが夏はこうした事件が増えるでしょう。今日は予定を変えて中医心理学の立場からこうした事件を考えます。 五行学説で「火」にあたる五季は「夏」、五気は「暑」、五臓は「心」、五体は「脈…

張角からいろいろ考える(こころと漢方)

後漢の末期、張角は自らを「大賢良師」と名乗り、符水咒(ふすいしゅ)を用いて病気を治し、弟の張寶、張梁と共に「太平道」という道教の教団を組織します。この教団が黄巾の乱を起こしいよいよ三国志の時代がスタートします。 中国史の中では時代の一つの通…

中医心理学はじめました。(こころと漢方)

張角(三国志) 中医学の歴史は古く、「黄帝内径」「神農本草経」「傷寒雑病論」ができたのは漢の時代ですから西暦200年くらいです。現在2019年ですから今から1800年も前ですね。風邪のときに飲む「葛根湯」の出典は「傷寒雑病論」ですから、どれ…

 七草粥について

お粥は米の中の栄養のエッセンスであり、消化しやすいので消化管に負担がかかりません。日本では梅干をのっけて病人が食べるもというイメージがありますが、中国や台湾へ旅行された方はおわかりですが、朝はみんなお粥を食べます。ピータンや漬物、油条をト…