今年は25日が春節
農暦の正月です。中華圏では「過了臘八就是年」(農暦の12月8日(臘八)を過ぎたら新年)と言われています。
ちょうどお釈迦様が悟りを開かれたのが臘八なので、この日には臘八粥を食べることについては前ブログで書きました。
その他に臘八の日には春節で食べるニンニクの酢漬けの準備にかかります。これを「臘八蒜」と言います。
臭いの強いニンニクは仏教では五葷(ごくん)のうちの一つで食べるのを禁じられているのに、お寺で臘八粥を振る舞われて、帰ってからニンニクの皮を剥くなんて、中国よくわかりません。
それはともかく。
まず、ニンニクを剥きます。薄皮も剥いてきれいにしますが、この作業が厄介ですね。部屋中がニンニク臭くなります。
このとき、水洗いをする場合には、完全に水がニンニクに残っていないようにキッチンペーパーで水分をとってください。
酢がニンニクに染み込むように、ニンニクのお尻の部分はカットします。
容器はガラス瓶を用意します。ポリだと臭いがニンニクに移ってしまいます。
酢は米酢。家により工夫が有り、砂糖や氷砂糖を入れます。僕は米酢2、赤ワイン1の割合で混ぜた物を使っています。
容器は完全に乾いたものを使用。中国流に言えば「無水無油」の状態。
不思議と色が翡翠のように変わっていきます。(去年の画像)
2週間位たったらきれいな翡翠色ですね。(去年の画像)
春節のころちょうど食べごろになります。春節では水餃子食べますが、水餃子とよく合うんです。春節のごちそうの箸休め的な役割ですね。
ニンニクは大蒜(たいさん)と書き、古代エジプトではピラミッド建設のときの人夫の体力回復に使われていたし、ギリシャ時代では虫下し、咳止め、浮腫に使われていました。
ドラキュラが苦手なのもニンニクでしたね。ヨーロッパでは悪魔祓い、疫病除として用いられていました。
お釈迦様も吸血鬼も苦手だったのはあの独特な臭気ですがそれは成分のアリシンのせいです。
アリシンには強い殺菌防腐作用があります。
アリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンになります。これも臭気が強いのですが、これを化学合成して作ったビタミンB1誘導体が「アリナミン」です。
漢方処方の中に大蒜が入ることはなかったのですが民間では食欲が増す、殺菌効果がある、カゼの予防になるということで使われていました。
昔の日本人は旅先で下痢をしないようにと旅行に行くときは梅干しを持っていきましたが、中国人はニンニクを持っていきました。
アリシンは生のニンニクでも酢漬けでも変化有りません。ただ食感が変わります。酢漬けはサクサクして美味しいです。
春節では日本のお正月のようについ食べすぎてしまいます。食欲が進むように(開胃口)、また腸の殺菌、風邪やインフル予防などの理由で中国の北部ではよく食べられます。
中国人の友人に臘八ニンニクについて聞いてみました。
「今年は漬け忘れた!」
「おじいちゃんがお酒飲むときに食べっていたなぁ」
「宴会では口が臭くなるから食べないよ」
「好きだよ」
ニンニク漬け作っていたせいか、僕の身体からはニンニク臭がするようです。インフルエンザ避けになるからまぁいいか。