偏頭痛で苦しんでいる人はたくさんいます。
生活の中の誘発因子にはどのようなものがあるのでしょうか?
1)ストレスが誘発因子としては断トツです。やはりストレスマネージメントのできない方に発作の回数は多いようです。また男性ではパソコン作業時間の延長により発作が起こりやすくなるようです。
2)照明(まぶしさ)も誘発因子の一つです。屋外では太陽の光、夜間の自動車のライト、スマホやパソコンのブルーライト等があげられます。ブルーライトカット眼鏡を使用し室内照明には電球色の照明が良いという学会報告があります。
偏頭痛の漢方相談で思い当たるのは銀行員のAさんです。
一日中パソコンの前での作業でかなりストレスを抱えた女性でした。来店時には眉間にシワを寄せていましたが、非常に真面目な方という印象を受けました。だいたい偏頭痛の方は生真面目です。偏頭痛外来に通院されていますがあまり効果がないということでの相談でした。
偏頭痛以外にも睡眠障害もありましたが平日はかなりお疲れで土日は寝ているとのことです。目の奥がとても痛くなり目を開けていられなくなる、痛みは眉間と側頭部です。
漢方では頭痛でも頭のどの部位が、どのように痛くなるかがとても重要です。痛みでも血管が脈打つように、目の奥が締め付けられるように、いろいろです。
Aさんの場合には、側頭部のズキズキする張ったような痛みと目の奥の痛み両方ありました。緊張した環境、目を酷使する作業にありがちです。
側頭部のズキズキする痛みは精神的な緊張でよく誘発されます。肝臓の経絡が側頭部を走行しているのです。肝臓はストレスがあるとその経絡上に反応がでます。
肝臓の経絡の走行図を上げておきます。
頭の側頭部まで行っているでしょ? またここから目の方に入るので、目も痛みが出ます。
肝臓の血液が不足している起こりやすいです。肝臓の血液を増やす帰脾湯と肝臓の経絡の気を流し緊張を緩和する逍遥散でAさんの頭痛は
治りました。表情もたいへん明るくなりました。よかったですね。