漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

耳鳴り(血液不足)をなんとかしたい

]* 耳鳴り(血液不足)

頭は「青空」に喩えられます。

雲ひとつない状態であれば頭脳はハッキリしますが、前回のブログで書いたように「火」が頭部に侵入すれば、頭部はたちまちセンサーを鳴らします。

それが「耳鳴り」であったり「眩暈」だったり「頭痛」「目の痛み」「眼精疲労」であったりします。

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勉強会で薬剤師から「モーター音みたいな耳鳴り」「キーンとする耳鳴り」にはどの漢方薬を使うのですか?という質問を受けます。

中医内科で証について勉強しているのに、このような程度の低い質問がでることは恥ずかしいことです。

卒業生から「爆発するような怒りには」とか質問を受けると、僕はそのような講義はしてこなかったのにと悲しくなります。

まず頭部センサーが鳴ってしまった原因を考察して行きましょう。
耳鳴りは頭部に、①邪(風、火、湿)が侵入した場合=耳鳴りの音は大きく低音 、②頭部に営養が行かない(気血、精)の不足の場合=聴覚が次第に低下し蝉の鳴き声のように高音)の二つに大きく原因を分類できます。

次に詳しく診ていきます。

本日は、血液不足による耳鳴りです。体全体で診ていくと、このタイプは顔色や唇の色が淡白、疲れると耳鳴りの他に眩暈や頭痛が起こります。他に目の乾燥、視力、聴力も低下しているでしょうね。

前のブログで紹介した顔色が赤い、イライラするとはまったく異なる体の状態がわかります。

治療方法は補血(血を足す)を中心にします。証で言えば「肝血不足」証です。

漢方薬では婦宝当帰膠とか帰脾湯が考えられます。

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