漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

高血圧が心配だ。漢方でなんとかしたい!

高血圧症や糖尿病。漢方薬を希望される方々も多くなっています。


昔は糖尿病は消渇と言って喉が渇く、お腹が空く、尿が近いとい症状から漢方薬を決めていました。高血圧も同じです。眩暈がある、動悸がある、耳鳴りがするなどの症状から決めていました。

こうゆう漢方薬の選び方は、もう古いです。書店で見かける健康本によく書いてあるやつですね。

今は、上記のような症状が出ている高血圧、糖尿病の患者さんは少ないです。なぜならどちらも現代では数値で病名を決めて症状が出る前に診断がついているからです。

上のような症状が出ていたら血圧も糖ももう重症、かなり天国か地獄に近くなっています

血圧も糖も多少の高さでは身体にはまだ変化が現れず痛くも痒くありません。でも身体の中では徐々に臓器に負担がかかってきています。数値は疫学的な研究から出るものですが、数値を低くしてあるのは医者や製薬会社が儲けるためだと信じている人は少なくありません。あるいはそう思いたいのでしょうか? 

これはほとんどよくある「陰謀論」です。

上は140以上だが、下は80。収縮期の血圧が高いだけだから大丈夫だと考えている人が多いですが、これは収縮期高血圧という立派な高血圧です。動脈が硬化しています。

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動脈硬化は中医学では「瘀血」です。「瘀血」というと血液がネバネバしていて詰まりやすいという認識では理解が浅いです。血液の状態と血管の状態が不正常なのが瘀血です。

血圧でも糖でも、始まりは瘀血です。微小循環からの瘀血は痛くも痒くもなく症状はない状態です。もし数値が上がり始めたら瘀血ができ始め動脈が硬くなってきたと考えるべきです。瘀血を治療する活血剤という漢方薬を使い始めましょう。

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黄帝内経の「未病を治す」の範囲は現代になってもっと広く解釈されるべきです。現代医学が得意な数値による診断。中医学が得意な微小循環改善。これをうまく利用していける時代になりました。微小循環を改善し血管が弾力がもどれば血圧も数値は安定してくるでしょう。
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