耳鳴り(高血圧編)
随分前のある日、「○○あるか?」と男性から高飛車な電話がかかってきた。
「今在庫はないけど取り寄せることはできますよ」
「ガチャ」
随分と無礼な電話。もうこれでかかってこないだろうと思っていたら
再び電話が鳴る。取り寄せてほしいとのこと。
当日来たのは赤ら顔のおじいちゃん。左腕は麻痺している。高血圧で脳梗塞になったのかな。
来るなりカウンターの飴をゴッソリ右手でつかみポケットに突っ込む。
頼まれた薬は漢方薬老舗の、自分で煎じるタイプのもので、多分、ホームページで見たのだろう。
絶対にこのおじいちゃんには合わない。でも言っても聞かないだろうね。
このおじいちゃんはそれっきり来なくなったが、他の人からも取り寄せして欲しいと電話があった。
この人も赤く、聞けばイライラするとのこと。
これで効かなかったら、他の方法もありますよ、といったが、3回買いに来たが信じ込んでいるのか
薬は変えようとしなかった。
耳鳴りで悩んでいる人は多い。
まず耳鼻科に行って、それでも治らないとき漢方を買いに来る。
でも、耳鳴りの原因は中医学でも一つではない。
まず原因を判断してからそれに合った処方を決める。
効能効果に「耳鳴り」と書いてあればすべて効くのかというとそんなことはない。
耳鳴りは症状の一つ。耳鳴りがする原因を探していかなければならないのに、ネットで症状だけ見て買うのは大きな間違えだ。
望診で顔が赤いのは、火が燃えているということ。火が燃えればイライラ、怒りっぽくなる。
火は頭のところまで燃え上がるので、目が充血したり、頭がクラクラしたり、耳鳴りがしたり頭の症状がでる。
感情が興奮してさらに火が燃え上がると症状は重くなり、甚だしいと、意識がなくなり倒れてしまいまう。
この場合には火が原因ですから、火を消せばいいのですが、単に高熱の治療、清熱ではだめで、燃え上がりに対処する「降火」、「息風」という方法を使う。これは高血圧の治療でも使われる方法。
最近の台湾での中医学研究結果では耳鳴りは脳の血流も影響しているということがわかったので活血という方法も採用して処方を決めていく。
単に薬の効果だけ見てこれは「耳鳴り」に良いと考えるのではなく、体全体の状態から処方を決めていくのが大切なのだ。
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