風燥感冒
秋の空気は乾燥しているため、肺臓は乾きやすく、声がれ、空咳、痰が切れにくい、特徴があります。
夏のカゼが胃腸炎を起こしやすかったのに対して秋のカゼは咳が中心になり気管支炎や肺炎になりやすいです。
よく汎用される処方としては「麦門冬湯」がありますが、これは根本的に間違えがあります。
声がれ、空咳、痰が切れにくいという症状は、急性の秋のカゼ以外に、慢性的な咳や喘息などでも出てくる症状です。
「麦門冬湯」は慢性的な「肺陰虚」に用いる補陰という補法の処方です。
寒気があるカゼには葛根湯、発熱があるカゼには天津感冒片と解表法を使っているのに、空咳があるカゼには補法の麦門冬湯を勧めるヘッポコの多いことか。
秋のカゼも解表法で治していきます。桑杏湯が代表方剤ですが日本では市販されていないので、処方意図から組み合わせを考えます。秋のカゼは唇が乾く、口が乾くなど熱性の症状も多いので、天津感冒片と肺を潤す麦門冬湯を併用して用います。
止まらない秋の咳
咳が止まらないとよく使うのが「リン酸コデイン」。副作用は口渇と便秘です。喉が渇くということはますます咳は止まらなくなります。止まらないとリン酸コデインの量が増える、するとますます肺が乾く・・・
肺が乾くと大腸が渇きます。(肺・大腸は表裏の関係)
大腸が乾けば大便は乾燥して便秘になります。
肺・大腸の気の流れは滞り、呼吸は深くできなくなります。
ちょうど、急須の蓋の穴を塞ぐと、お湯が出なくなるのと似ています。
咳がなかなか止まらない場合、便秘があれば咳止めより
瀉下剤で便を出して気の流れを改善すれば咳は止まります。
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