漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

続命湯《金匱要略》と高血圧症

正常な血圧は

140/90未満は正常血圧ですが、120/80未満が循環器病のリスクが最も低い至適血圧です。 130~139/85~89は正常高値血圧で、

高血圧ではありませんが要注意の値です。

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未だに正常な血圧の数値を下げるのは、高血圧患者を増やして薬を売ろうとする医者や製薬会社の陰謀だと言っている医療関係がいる

ことに僕は驚きます。医学の世界でも統計学、疫学調査がありそこから割り出された数値でベストな数値を示しているのに。

でも高齢者で血圧が高めで受診している方々は多いですよね。高血圧は「見えない殺人者」で、高血圧から起因する重篤な症状として

脳血管障害、心筋梗塞、腎障害など死に直結する疾病が多くあります。

みなさん、そうならないように取り敢えず数値だけは下げておこうかといことで病院に通っています。

でも数値が上がってしまう原因は何なのかについては、あまり解決していない人が多いです。これが高血圧患者さんが多い所以かもしれません。

さて高血圧という病気が生まれたのはいつからなのでしょうか?

これは簡単で、「血圧計」が作られてからですよね。それまでは高血圧症はなかった。

でも古代にも目眩や、耳鳴り、肩こり、しびれ、胸苦しさ、狭心痛など血圧が高くてなっている症状はたくさんありました。

これを中医学では陰陽の平行を調整することで治療していったのですが、

この平行が大きく崩れたのが、中風(脳血管障害)や胸痺(心筋梗塞)でした。

張仲景の処方に続命湯があります。

脳溢血、半身不随、言語障害の比較的初期に用いられていたようですが、そのようになる前に陰陽の平行を戻し血圧を下げることもできるのではと思います。

張仲景は以下のように続命湯の処方を組み立てたのではないでしょうか?

 当帰・川芎=補血活血=心臓の能力を増強
 桂枝・人参=心臓の拍動を力強くする
 麻黄・杏仁=解表・宣肺=体内の痰湿を体表から排出
 石膏=体内の熱邪を清熱
 甘草・燥姜=脾胃の保護

1ヶ月飲んでみようと思っています。

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