漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

ブログ漢方相談室 カゼをこじらせた

半表半裏証(少陽病証)

[本日のお悩み]

寒気や発熱を繰り返し、気分が優れません。

1週間前に急に寒気がしてカゼをひきました。すぐ治るだろうと思い、安静にはせずにいました。

最近は急に体が熱くなったと思うとしばらくするとこんどは逆に寒くなります。

総合のカゼ薬を買いましたが治りません。胃もおかしいのか食欲もありません。

友人が心配してケーキを買ってきてくれましたが、口が苦くて美味しく感じません。

気分的にも落ち込んでいます。 [相談者] 女 20歳 大学生 

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[お答え]

中医学や漢方では、カゼの状態、進行程度により治し方がことなり処方を変えていきます。

解熱剤、抗生剤、一辺倒ではありません。

>急に体が熱くなったと思うとしばらくするとこんどは逆に寒くなります。

これは「寒熱往来」と言い、邪気が優勢になると寒気、正気(抵抗力)が優勢になると発熱します。

抵抗力が中途半端(陽気が少ないので少陽病といいます)な状態なので、完全に邪気を排除できません。

敵味方に別れてするバスケットの試合のように、敵と味方の間をボールが行ったり来たりする状態です。

また、胆から胆汁が出るので口は苦く食欲はなく、気分は落ち込みます。この状態を傷寒論では

「嘿嘿(もくもく、黙るの意味)として飲食を欲せず」と言っています。

もはや葛根湯の出る幕ではなく、小柴胡湯(しょうさいことう)を使います。

[養生アドバイス]
体力は落ちていますので安静に。消化管に負担のかからないようにお粥がいいです。

解熱剤や抗生物質などは肝臓に負担をかけるだけです。

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