ムカデが毘沙門天の眷属であることは皆さんご存知でしょう。
ではサソリは?
サソリは古代エジプトの女神、セルケト(Serket)の姿がサソリ、または頭にサソリを載せた姿で描かれています。
古代エジプトではサソリの毒や、その他の砂漠に住む有害な生き物たちの毒から人々を守るとされ信仰されていました。
中薬学ではサソリは「全蝎(ぜんかつ)」、ムカデは「蜈蚣(ごしょう)」と言います。
どちらも有毒ですが、その分効果は優れていて、高熱による痙攣、関節痛、麻痺、慢性頭痛に一緒に粉にして配合します。
また蟾酥(せんそ)と言うのはヒキガエルの耳下腺ですが、日本ではヒキガエルといえば天竺 徳兵衛(てんじく とくべえ)ですね。
蟾酥は突然昏倒して意識がなくなるときに使います。これも毒です。
古代中国の呪術で「蠱毒(こどく)」があります。
《医学綱目》第25の記載では蛇、ムカデ、ゲジ、カエルなどの毒虫を壺に入れお互いに戦わせ勝ち残った虫が神霊となるのでこれを祀りこの毒を採取して食物に混ぜ、人がこの毒にあたると死ぬとなっています。
当時の法令では蠱毒を作って殺人したり殺そうとしたり、教唆した場合には斬首刑になったようです。