ハーバート・フロイデンバーガーは燃え尽き症候群とは持続的な職業ストレスによる衰弱状態、意欲喪失と情緒荒廃、
疾病に対する抵抗力の低下、対人関係の親密さ減弱、人生に対する慢性的不満と悲観、職務上能率低下と職務怠慢をもたらす症候群と定義しています。
過労による衰弱状態、焦燥感、精神不安はやがて過労死、突然死、自死へとつながります。
漢方相談でも疲労を胡麻化そうとドリンク剤をよく飲んでいる人が少なくありませんがそれはなんの解決にもなりません。
根本は現在の生活環境,仕事環境を見直し、改善することです。またダメージを受けて修復不能になっている身体をケアしていきましょう。
僕の漢方相談の中でもやはりクタクタに疲れている相談者がいます。疲れが取れなという相談なのですが
人参などの補気薬を使用しても効果はありません。普通の疲労には気虚で使う人参はよく効きます。
病院でも疲れているというと人参の入っている補中益気湯を出していますね。でも効かない・・・。
疲労には気虚の他に血虚、陰虚、陽虚という四つの不足があるのですが漢方を勉強したことのない人は知りません。
「暗耗陰血」あんもういんけつ という言葉があるのですがオーバーワークが続いていると徐々に身体の陰液が消耗していきます。
陰は身体の余熱を冷却する働きがあるのですが消耗していくと疲労の他に身体の火照りが止まらなくなります。これは陰虚内熱の証です。
単純な気虚ではありません。補中益気湯は温性なので身体の火照りはかえってひどくなるので使ってはいけません。陰の不足には陰を補わなくては
いけませんね。
陰虚の火照りは陰の不足が進むに従い火は燃え上がり、身体が熱くて安眠ができなくなり寝汗が止まらなくなり朝起きても疲れは取れずやる気は起きません。
火が燃え上がり(陰虚火旺)になるとメンタルでは焦り、不安、イライラがでてきて動悸がし始めます。身体は熱く精神不安がひどくなります。
この先に突然死や過労死、自殺があります。僕の患者さんも長年のオーバーワークで胃がんを発病した人がいます。
深刻な事態にならないうちに環境の改善、身体の立て直しをしたほうがいいですね。
ドリンク剤などで胡麻化さないで一度ご相談くださいね。