漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

国際中医師試験解説(中薬学)20

[温裏薬]

温散裏寒して裏寒証を治療する薬物(補陽薬とちゃんと区別して!)
性味は辛熱で温暖中焦、健運脾胃、散寒止痛作用あり。助陽、回陽作用ある薬物もあり。

問131 亡陽欲脱、脈微欲絶の治療に選ぶべき薬物はどれか?

A 沈香
B 附子
C 小茴香
D 肉桂
E 乾姜
[解答]B
附子の効能 1回陽救逆 2補火助陽 3散寒止痛
亡陽証の主な症状は2つ、四肢逆冷、脈細欲絶。腎陽衰敗すれば形体を温煦できなくなり四肢逆玲になる。心陽気衰敗すれば脈細欲絶になる。附子は回陽救逆の要薬。他に代用できる薬物はない。ただ効果が出るので時間がかかるので、速く効果の出る乾姜と配合して」作用を強くする。(乾姜は附子の毒性も軽減できる)=四逆湯。先煎して毒性を軽減⇒問132 

問133 温肺化飲だけではなく温中散寒と回陽通脈もできる薬はどれか?⇒問134と重複

A 細辛
B 半夏
C 高良姜
D 胡椒
E 乾姜
[解答]E
解表薬 生姜:発汗解表・温中止嘔・温肺止咳。 温裏薬 乾姜:温中・回陽・温肺化飲。

** 問135 湯剤に入れる際、後下すべき薬はどれか?
A 附子=先煎(毒性減弱)
B 乾姜=妊婦慎用(辛熱)
C 肉桂=後下
D 丁香=畏鬱金
E 呉茱萸=長期服用NG(辛熱で乾燥力強い。損気動火しやすい)
[解答]C

問136 巓頂部(てんちょうぶ)の頭痛の治療に優れている薬はどれか?

A 白芷=陽明頭痛
B 細辛
C 乾姜
D 小茴香
E 呉茱萸=厥陰巓頂頭痛
[解答]E
呉茱萸=辛苦大熱、小毒。肝経。疏肝気作用に優れる。

問137 去寒止痛、理気和胃の効能を有する薬はどれか?

A 肉桂
B 附子
C 丁香
D 小茴香
E 花椒
[解答]D
呉茱萸と小茴香=散寒止痛・寒滞肝脉の疼痛
呉茱萸=小毒・疏肝解鬱、降逆止嘔に優れる⇒肝寒気滞諸痛の主薬
小茴香=理気和胃作用あり。(呉茱萸にはない作用)

問138 川烏の適応症ではないのはどれか?

A 心腹冷痛
B 頭風頭痛
C 寒湿痺痛
D 跌打(てつだ)疼痛:跌つまずくの意味。
E 咽喉腫痛
[解答]E 
烏頭の母根が川烏(烏頭) 現在は去風湿薬に分類。心肝脾経⇒附子は心腎脾経。去風湿、散寒止痛作用あり。
烏頭の子根が附子。

問139 椒目の効能はどれか?

A 行水平喘
B 行水活血
C 行水散寒
D 行水殺虫
E 行水止痛
[解答]A
椒目:花椒の種子。花椒は成熟果実を乾燥したもの。

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