漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

居酒屋薬膳

体調があまり良くないので居酒屋で選んだメニュー

金翅鳥院羽田住職、上願寺藤川住職がご来店されたので、非情スタッフ鶴見君と食事に行きました。

藤川住職が悪魔祓いで体力消耗、僕も講義で疲労していたので、身体に優しいメニューを頼みました。

①乾杯は焼酎お湯割りに梅干し。
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酒は辛味で湿を取り払います。藤川先生がお腹が張るということでしたが、胃腸に湿が溜まると腹脹がでます(湿邪困脾)。
当日は雨でしたので湿度が高く体が重だるくなります。(湿邪は重濁)。辛の発散作用を利用して湿を取り除き体を軽くします。

酒自体は活血。温めればさらに血行は良くなり体は軽くなります。クーラーの聞いた部屋で一日仕事をしている人は血流が悪くなりますので身体が重く感じます。

胃腸を冷やしてはいけないので当然お湯割り。梅干しの酸味は収れん作用で下痢をとめ、また生津作用があるので汗で消耗した体液を増やします。

②お通しはプチトマトとオクラ。

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トマトは緩く活血。オクラのようなネバネバした食べ物は精をつけます。霊は人間の腎精を吸いますのでお化け退治が専門の藤川住職にはよいでしょう。

③羽田先生リクエストの冷ややっこ。
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豆腐は製造過程で清熱薬 石膏を使うので、豆腐は体を冷やします。炎上画の羽田先生は体が熱くなりやすいので選ばれたのでしょう。あまり体を冷やしすぎないように温性の薬味を忘れずに。(みょうが、ねぎは温性。)

④さつま揚げ
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ざっくり言えば消化器の働きをよくします。魚のすり身ですから消化が良く気に変わりやすいでしょう。

⑤刺身三点盛り(梅)
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薬味の紫蘇葉、紫蘇子は刺身の解毒作用あり。

⑥中華サラダ
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夏野菜は体の余熱を取り去り、体の余った水分を利尿させます。

⑦ニラと卵炒め

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ニラは体を温め元気に疲れを取ります。卵(黄)は補血滋陰。血液を増やし精神を安定させます。白味は炎症をとり喉の腫れを治します(塩化リゾチーム)。

⑧くじらベーコン
動物の肉=精をつけます。

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⑨ほっけ
魚=さつま揚げ参照

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⑩定番 鶏のから揚げ
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補中益気。つまり消化器を丈夫にします。また血情有肉の品なので精をつけます。レモンは梅干しと同様酸味で体液を増やします。

⑪新生姜
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胃腸を温めます。非情スタッフが梅酒ロックで胃を冷やしたので。

⑫〆の梅茶漬け
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米は補気です。

⑬おばさんがくれた梨
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肺の熱を冷まし、渇きを止めます。

[まとめ]
薬膳には食用(普段食べる)食養(体質養生)、食療(食事で治療)があります。
今回は藤川住職の胃腸(お腹が張る、多少軟便、水の飲みすぎ)を中心に考え、「脾胃」に重点を置きました。

総合的に
脾胃を温める、水を溜めない。そして気や精を補う。血液の滞りをとる。健脾化湿・補腎精・活血化瘀です。

よくツイッターで見かける夏はキュウリだみたいな単品によるおすすめ薬膳は笑止です。まるで単品ダイエットのようだ。
実際には漢方処方と同じです。中薬を使うのではなく食べ物をうまく組み合わせて体調を管理するのが薬膳です。

亀戸では有名。おいしいです。看板おばさんが元気です。
ときわ食堂 亀戸駅前店
ジャンル:食堂・定食
アクセス:JR総武本線(東京-銚子)亀戸駅東口 徒歩1分
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6-61-7(地図
周辺のお店:ぐるなびぐるなび 亀戸×定食・食事処
情報掲載日:2019年8月24日

羽田守快先生の書籍紹介

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