漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

冷え性の人のカゼ薬は葛根湯では非ず

陽虚感冒

昨日は身体が寒くて寒くて。くしゃみや鼻水が止まりませんでした。

僕は麻黄を飲むと頭が冴えて眠れなくなるので葛根湯は飲みません。独活寄生湯を飲みます。

独活寄生湯は風寒湿邪を取り去る作用があるので関節痛以外にも悪寒のあるカゼに応用できます。

風邪に犯されると=急な症状、頭部の疾患

寒邪に犯されると=身体が冷える、鼻水、痰、尿は透明で水様性

湿邪に犯されると=身体が浮腫む

風寒湿邪の3つの邪気に犯されると以上のような症状がでます。

花粉症では雨の日は花粉が飛ばないから楽だと言われていますが、雨の日はひどいという人もいます。

花粉症はくしゃみが急にでる(風邪)、体が冷える、水のような鼻水が止まらない(寒邪)。

花粉症は風邪+寒邪が原因ですが、雨の日にひどくなる人はこれに湿邪が加わります。

小青竜湯は風邪+寒邪には対応できますが、湿邪には対応ができません。

独活寄生湯は風邪+寒邪+湿邪 全てに対応ができます。漢方の裏ワザです。

身体が冷えてる人の漢方カゼ薬

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もともと冷え性で特に下半身(お腹・内股・お尻)に冷えがある人は陽虚体質です。

陽がないので身体は冷えます。

身体の冷えは外から寒邪を呼び込みます。

だからカゼをひくと体全体が冷えます。これは巷の「漢方養生セミナー」で教える悪寒がひどければ葛根湯ではありません。

中医学では陽虚感冒、傷寒論では少陰病証と言い、葛根湯を使う風寒表証、太陽病証ではありません。

寒気、頭痛、疲労倦怠、腰痛がよくでる症状です。

身体の冷えを温めることから手掛けます。麻黄附子細辛湯、真武湯(尿の出がよくないとき)で体の冷えを取りながら寒邪を取り除きます。葛根湯では身体の中の冷えを取り除くことはできません。

年末年始、体調を良くしておきたいですよね。カゼは早めに対処しておきましょう。

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