センナ
センナはシルクロードから中国に入ってきて薬になりました。中国の名前は「番瀉葉(ばんしゃよう)」。
「番」という字がついているのは外来種です。ちなみに番紅花というのはサフランのことです。
センナは下剤として使われており、日本でも成分のセンノサイドを使用した下剤はたくさんあります。
市販では「コーラック」、医療用では「プルセニド」などの名前で流通しています。
プルセニドの後発品でヨーデルがありますが、そのまんまのネーミングですね。発売会社はピップフジモトなので
はじめは「ヨーデルP」にしようとしたらしいですが、厚労省の許可がおりず「ヨーデルS」になりました。
漢方薬では大黄を使った処方はたくさんありますが、番瀉葉(センナ)が入った処方はありません。
これは大黄のほうが番瀉葉より優れているということではありません。
単に歴史的な問題です。番瀉葉が中国に入ってくる前から大黄は使われていましたから。
同じ瀉下薬ですが大黄は長い間使っていると効果が減少しますが、センナはしません。
成分をみると大黄には瀉下作用のあるセンノサイドと止瀉作用のあるラタンニンが入っています。
センナサイドは即効性がありますが、ラタンニンは遅効性です。
だから最初は効きますが、継続しているとラタンインが効いてきて便は出なくなります。
センナはセンノサイドだけですから便は固くなりません。習慣性便秘にはセンナのほうがいいでしょう。
この点は中国でも了解していてて今ではセンナをうまく使うようになっています。
延胡索(えんごさく)
仏教儀式で使う薬草として中国に入ってきました。えんごさくというのは外国語の音を中国語に当てたもので漢字自体には意味はありません。
外来語の場合、音を漢字に当てるということもよくあります。
コカ・コーラは可口可楽。口にすべし楽しむべし、で意味もよくわかります。
ツィッターは推他。彼を推薦する、でこれもいいですね。
日本語の萌~はそのまま萌です。
「胃痛がある時にはまず延胡索を求めよ」と言われているように、ケシ科植物で鎮痛作用、鎮静作用があります。
多分宗教儀式ではこの作用を利用して香炉に入れたのではないでしょうか?