漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

コロナの漢方的自衛対策

発熱外来が長蛇の列でなかなか受診できない状況です。

また陽性で自宅待機になった方も保健所からなかなか連絡がこないで不安だと思います。

とくにご家族と同居をしている場合にはウツしてしまうのではないかという不安もあるでしょう。

受診もできず発熱やのどの痛みをどのようにしたらいいのかということで、市販の薬の活用が

自衛として提案されています。解熱でクリニックで処方されるのはカロナール(成分名アセトアミノフェン)が多いですが、これは薬局でも帰ることができます。

漢方薬にも解熱の効果が優れている処方があります。清朝の時代「温病条弁」に記載された「銀翹散」です。

温病というのは伝染性が強く高熱がでる病気ですね。今のコロナはそれに該当します。それ故単に解熱だけではなく

熱毒(ウイルス)を抑制する作用も考えられて作られた処方です。日本では張仲景の麻黄湯を使いますね。これは後漢の時代、西暦200年頃の処方でまだ温病学説
が確率されていないころの処方です。銀翹散のような清熱、咽喉腫痛に対する直接的な作用はありません。

温病学説を確立した葉天士は病気が進行していく段階を「衛分・気分・営分・血分」に分類しました。感染初期の衛分では「銀翹散」、次の気分に進行した場合
麻杏甘石湯を使います。

邪気が肺に入り高熱の他、咳が出てきます。温病は伝染性や進行が強いので最初から銀翹散や麻杏甘石湯を併用して使います。実際に中国で使われているコロナ治療
の薬にはこの2つの処方が入っています。

また湿度が高い今の季節では清朝時代のもう一つの学説「三焦弁証」も参考になります。こちらは嘔吐や下痢を伴う症状が先にでてきます。このときには藿香正気散を使うことになります。高熱の他に胃腸の症状がある場合にはこの処方も考慮します。

発熱が出た場合には漢方薬局にもいろいろな薬がありますので、ぜひ活用してください。

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