いもりの黒焼きの作り方
いもりは性淫らにして好く交わる。深夜丑時に至り多くを出す。土人其時を候して之を取り、水中に蓄う。俗に云う。その交合するものを取り、雄と雌を山を隔てて之を焼き、以て媚薬と為す。壮夫争うて之を求む 《和漢三才図会》
必ず交尾中のいもりを使うことになっています。中薬学で使う補腎薬でEDに使う「蛤蚧」(オオヤモリの内蔵を除き乾燥したもの)も本来「蛤」と「蚧」はツガイであると言われていますから同じような発想ですね。
いもりの黒焼きの使い方
落語「いもりの黒焼き」の中で詳しく説明されています。
特選 米朝落語 「いもりの黒焼」
交尾中のいもりを引き離し、別々に黒焼きにして、雄の方の粉を自分にかけて、雌の方の粉を相手の女性にかけるのですね。
※落ちの「飯米に追われる]=生活が苦しい。
「千と千尋の神隠し」では食べてしまっていましたが、内服ではなく外用なんです。
古来、惚れ薬は内服するものではなかったようです。先秦の時代《山海経》では薬の用い方として、食う薬(内服)、服する薬(服の内に付けてる)、佩(おび)る薬(アクセサリーのように髪飾りにした)に分類されています。
先秦の時代には佩蘭を胸に飾る週間があり、唐代、9月9日の重陽の節句には呉茱萸の葉を髪に刺す習慣がありました。重陽の節句に呉茱萸の葉を持ち菊の酒を飲むのは魔よけ(疫病)の意味がありました。厄除けから逆転の発想で「惹きつける」という発想が生まれたのでしょうか?
ほれにくい顔が来て買うほれ薬 《万句合 明和元年鶴5》
まぁ 漢方ではなんとかできないので、アラミスで我慢してください。
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