三国志
姜維将軍のお話です。
敵方の蜀に捕えられてしまった魏の姜維将軍。
魏に残った母親とのやり取りが中薬学的です。
母親からは魏に戻って来いと「当帰(当に帰るべし)」が送られてきます。
その返事として姜維が送ったのは「遠志(遠大な志)」。その後、諸葛亮(蜀)のもとで活躍します.
それを受け取った母親はすべてを理解しその後はなにも言わず姜維を見守っていました。
これを知った諸葛亮は「賢なるかな、姜母」と褒め称えたそうです。
ちなみに中国語の「不再~~」は「二度と~~しない」の意味です。
こうした生薬でやり取りをすることは古代の風俗としてあり「以薬寄情」と言いました。
曹操は弓の名手、太史慈を呼び寄せるときに手紙に当帰だけ入れて送っています。それで当帰のことを別名「文無(文字がない)」とも言うようになりました。
《古今注》には「古人相贈以芍薬、相招以文無」。「文無一名当帰、芍薬一名将離」とあります。