春はあけぼの
春は、あけぼの。
やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。枕草子
冬から春へは段々と陽気が上がりだし、明け方から明るくなってきます。
体の中の陽気もそれに伴い上がりだすのですが、もともと冬の養生が悪く陽気が不足気味の人は自然界の上がりについていけません。
五行の中で春は木に属し、五臓では肝臓に当たります。
肝臓の気の流れが伸びやかに体の中を流れないと「肝気鬱結」という状態になりイライラ怒りやすくなります。
しかし最近はイライラの逆で落ち込みやため息を連発するひとが多くなってきました。
これを最近では「肝気不足、肝気虚」と呼びます。
昔のソ連の科学アカデミーがシベリアに棲息するウコギ科のエゾウコギの根の皮を研究したところ、同じウコギ科の人参と同じように気を補う作用の他、精神安定作用があることがわかりました。
中薬学では「刺五加(しごか)」と名前が付きました。中国に昔からある生薬ではないので煎じではなく錠剤、顆粒剤、液剤として
使われていますが
人間が環境に適応する応力を強めストレスに強くすることができます。ロシアでは宇宙飛行士が宇宙船で服用していました。
刺五加はエゾウコギ、シベリア人参などの名称で市販されていますが、春の憂鬱にもよく使われます。