3月3日 桃の節句
道教の神様、西王母の誕生日であります。この日は蟠桃会(ばんとうえ)が開催され神様たちがお祝いに集まります。
神様や仙人が蟠桃を食べるのですが、蟠桃園には、三千六百本の桃の木があり、
手前の千二百本は、三千年に一度熟し、これを食べた者は仙人になれ、
中ほどの千二百本は、六千年に一度熟し、これを食べた者は、長生不老が得られ、
奥の千二百本は、九千年に一度熟し、これを食べた者は天地のあらん限り生き永らえるそうです。
この蟠桃園の番人を命じられていたのが斉天大聖、孫悟空ですが、彼は自分が蟠桃会に呼ばれなかった
ことに腹を立てて大暴れします。
蟠桃会がらみのエピソードは多く、蟠桃会からの帰りの話としては「八仙人海を渡る、八仙人過海」があります。
桃には聖なる力があり、道教の道士は桃の木の剣を邪気を祓います。
鬼退治も桃太郎でなければいけません。栗太郎ではだめなのです。
中薬学に桃の種(桃仁)があります。よく女性の下腹部の瘀血を取り除きます。
中薬学を勉強していると、なんでこの生薬を薬として使うようになったのだろうと思う事があります。
道教の発想が影響していることもあるのですね。
桃仁の処方に桃核承気湯があります。下腹部に瘀血があり、暴れる(狂)女性に使うと子宮からドロドロの血がでて治ります。
昔の人は桃の聖なる力だと思ったでしょう。