寒厥と熱厥
張仲景の傷寒論、厥陰病の中にでてくる言葉です。
女性の場合、手足の冷えがある場合、もともと自身の体を温める力がないところに
外からの冷え(寒邪)が侵入して冷え症になる場合が多いです。
外からの寒邪を追い出してくれる温性の薬を使います。
四逆湯や当帰四逆湯です。この2つの処方は名前が似ていますが中の組成は全く違います。
四逆とは四肢の指から冷えてくるという意味です。
男性の場合は複雑です。
ご夫婦で奥さんの冷え症漢方相談で来られたときに、そう言えば主人も足が冷たいという話がでてきます。
普通冷え症の場合、温かい飲み物が好きなのですが、そうではなく冷たい物が好き。しかも熱がり。
これは陽(熱)が身体の中にこもってしまい、陰(冷)が身体の末梢に追いやられた形。一見冷えですが
実は正体は熱という、真熱仮寒と中医では言います。
この場合に女性のように温性薬物を使うと正体が熱なので悪化してしまいます。
逆の寒涼性薬物を使います。白虎湯という薬を使います。
同じ症状でも身体のメカニズムが異なれば治し方は変わっていきます。