問54 清熱除煩、清熱利湿、涼血解毒、消腫止痛の効能を併せ持つ薬物はどれか?
A 夏枯草
B 淡竹葉
C 天花粉
D 山梔子
E 決明子
[解答]D
山梔子は重要な清熱瀉火薬。性味が苦、寒であり甘はない。つまり甘+寒=生津作用はない。温熱病からの気分熱では熱のために津液が消耗(汗、口渇)するので甘寒で生津作用のある石膏や知母、芦根、天花粉、竹葉が用いられる。苦寒薬は適切ではないので山梔子は用いられない。臓腑の気分熱証(心火盛、心熱内盛、煩躁不安)に用いられる。傷寒論から温病学にいたるまで山梔子の入る処方の主治証はすべて心煩不安に用いられている。故に除煩作用に優れている。
帰経は三焦で、上焦の清肺熱、清心熱、中焦の清脾胃、下焦の肝熱、胆熱、というように臓腑の実熱証に用いられるが心熱証に多用されている。
涼血作用に優れており「血熱妄行」による出血証に用いる。=血分熱
清熱解毒作用=瘡廱に内服、外用する。(生山梔子粉)
清熱利湿作用=清熱燥湿薬になぜ分類されないのか? 山梔子は利尿作用であり尿から湿熱を排出する。燥湿作用ではない。肝胆湿熱(黄疸、発熱、小便短赤)=茵蔯蒿湯(茵蔯+大黄(大便)、山梔子(尿)から退黄する。
一般的には生用。炒炭にすると止血作用が増強する→問55