漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

中国医学式 癒やしの音楽は臓腑に響く(1) (こころと漢方) 

中医音楽療法(1)

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中国では薬も針も用いずに音楽で治療する方法がありました。

《黄帝内経》では2千年以上も前に「五音療疾」理論が書かれているのです。宋代、孫道滋は欧陽修の「憂鬱症」を「宮声」で治療しています。官声というのは中国の5つの音階の1つです。五行学説では五音のなかの宮は土行にあたります。

「私は憂鬱になり家に閉じこもっていた。友人の孫道滋君が琴で官調の曲をひいてくれたが、しばらくすると楽しくなり病のことは気にならなくなった」《送楊真序》

現代科学では音楽が脳波、鼓動、脈拍に作用して人体の生理、心理に影響を与えることは証明されていますが、中医では音楽にも帰経、昇降浮沈、寒熱温涼など中薬と同じ特性があると考えています。楽曲では楽器、演奏、強さ、声などの配合は、中薬処方の君臣佐使理論と同じ考えて組み立てられているのです。※君臣佐使理論は処方構成の基本的な考え方です。

中国古代の音調は5つで五音(角、徴、官、商、羽)と言います。五行学説で五臓と五音を当てはめると・・・

木=肝=角(MI)  火=心=徴(SOL)  土=脾=官(DO) 
金=肺=商(RE)  水=腎=羽(LA)

【心】

徴調の楽曲:テンポが速く軽快。気持ちが高揚する。
代表的な曲:《紫竹調》《梁祝》《蘇軾牧羊
おすすめの人:イライラしやすい・負けん気が強い・眠れない・心臓がドキドキする・胸苦しい・胸痛・煩躁・舌の先に口内炎ができやすい。
効果的な鑑賞時間:21:00~23:00


《梁祝》 Butterfly Lovers ErHu Concerto 指揮/閻惠昌 二胡/孫凰

苏武牧羊 古筝演奏


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