漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

第10回 日本漢方連盟総会

日本漢方連盟総会

令和元年10月19日、大井町にて「第10回 日本漢方連盟総会」を行いました。

10年も前になりますが、漢方薬は「医薬品のネット販売禁止」という厚労省の方針の煽りを受けて漢方薬の郵送販売ができなくなるであろう危機がありました。

これは病気で外出もままならない患者さんにとって不利益であるとともに我々漢方薬局にとっても経営の危機でした。

当時の薬剤師会は「保険調剤べったり」でしたし厚労省も「漢方薬」についてはなにも知らない状況でした。

そこで漢方薬局がまとまって厚労省に意見をとどけるために作られた団体です。

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現在は

漢方の新たな認定制度を念頭に置いた人材育成と会員拡充に資するための事業として

 
厚労省や他団体との連携(薬剤師認定制度機構、薬科大学)
人材育成に資するための対応(漢方重要処方60改訂版)の出版

国民の健康とセルフメディケーション推進のための事業

ホームページリニューアル
講習会、講演会を通じて相談販売の推進など販売者、消費者双方の漢方薬の適正使用の必要性について啓蒙

漢方薬局など相談薬局の存続と発展を促すための事業

 [事例]保険薬局の指定を習得しないとあらたに薬局を開設してはいけないと指導されたケース
 代々漢方薬局を経営してきたが、保険薬局の習得をしないため薬局の看板を降ろせと指導され、やむなく薬品、薬舗に変えた事例が多くあります。
 本件について厚労省と折衝を行い「薬局開設の際は、保険薬局の取得が望ましいが、処方箋調剤を行わないのであれば保険薬局の取得を義務つけるものではない」との回答を得ています。

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漢方薬送りの問題は解決しましたが、今後も漢方薬局にはいろいろな問題が起こってくるでしょう。

近い将来では羚羊角など「動物性生薬」がワシントン条約で供給に制限がでてくるでしょう。
生薬原料については安定供給のため休耕地を利用した国産生薬の復興が必要になるでしょう。

日本漢方連盟は今後も厚労省など関係機関といろいろな問題について折衝をしていかなければなりません。

漢方薬局の皆様には是非お力をお貸しいただけますようお願い申し上げます。

nikkanren.net