漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

コロナ感染で咽頭腫痛

咽喉痛について「桔梗湯」しか知らない自称漢方薬剤師が多くて悲しすぎます。

咽喉痛のメカニズムは大きく分けて3つあります。

風熱邪によるもの

カゼで咽喉が痛いときが当たります。発熱とともに咽喉腫痛が出てきます。
咽喉がむず痒かったり赤く腫れるのは風熱邪のせいでただのカゼです。
トラネキサム酸やロキソニンなど消炎剤を使います。

熱毒によるもの

熱毒とはウイルスによるもので、唾を飲んでも痛いです。
現代医学ではこれに対応できる薬剤はありません。抗生剤は細菌には効きますがウイルスには無理です。
中医学にはウイルス、細菌を分ける概念がありません。まとめて熱毒です。熱の特徴として赤く腫れあがり
肉は爛れます。中医学では熱毒に対しては清熱解毒薬を使います。トラネキサム酸やロキソニン、桔梗石膏ではあまり効果がありません。
清熱解毒薬の中でも金銀花のような花類は人体の上部に適し、連翹は肺の他に心経に入ります。諸痛痒瘡皆心に属すと言われ心経に入る薬物は痛みや化膿に効果があります。
銀翹散(ぎんぎょうさん)や馬鞭草(ばべんそう)を使います。馬鞭草は古代ローマでは祭事に使われる聖なる草でした。
僕は馬鞭草をよく使います。

虚熱によるもの

カゼや感染のような急性のものではなく慢性咽頭炎の多くは虚熱が胃に伝わったための痛みです。
空咳、息切れ、粘る痰がひっかかる場合には甘露飲、足腰がだるい、体が火照る、焦りがある場合には知柏地黄丸を使います。