漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

Q52 バルトリン腺炎をなんとかしたい(加筆)

  バルトリン腺は女性器入り口にある腺で挿入時の摩擦を軽減するための粘液を分泌する腺です。細菌やウィルスに感染すると炎症を起こし嚢胞を形成します。悪化すると痛くて歩けないほどになります。

  婦人科の治療では膨らんだ部分に注射器を使って膿を抜き取ったり切開して膿を除去し抗生物質の服用をしますが再発しやすいです。

 中医学ではバルトリン腺炎、バルトリン膿瘍、嚢腫は外陰廱腫(がいいんようしゅ)に相当します。

  漢方では状態により治療方法が異なるります。

 外陰部の炎症による発赤や腫れ、疼痛を漢方では「湿熱」と考えます。治し方は清熱利湿という方法で、瀉下利湿顆粒に五涼華を足して用います。

 ただ上記の処方は長い間飲むことはできません。2週間くらいで改善がなければ止めたほうがよいでしょう。傷の状態やしこりの大きさ、体力を考えて薬を変えるべきです。