お盆に先祖供養をする風習
この時期に墓参りをするのは日本だけのようで中国、香港、台湾にはない。中華圏では清明節(4月4日、5日)に墓参り(掃墓)をします。
中華圏でも8月(農暦7月)に地獄の釜が開いて霊がこの世に戻る時期なのですが先祖供養というより施餓鬼に近い気がします.
もろもろの霊のご供養で お墓に行く先祖供養はないようです。
さて、昔はこの時期になるとお坊さんが忙しく檀家を回ってお経をあげてくれたのですが、最近はあまりお坊さんを見かけなくなりました。僕の家でもお寺からは寺で供養をしますということで住職がおいでになることはなくなりました。東京だけでしょうか?
だんだんと日本人はお寺との接点がなくなり葬式の時くらいになってしまいました。最近ではお葬式の時にアマゾンでお坊さんを呼べるそうですね。
日本人の生活の中で宗教がだんだんと希薄になっていく中で、老人の中医心理学を勉強していると、お年寄りの心の不安定さを支えてくれる部分に宗教が実は大きな役割をしていたのではないかと感じます。
別に地獄、極楽ということではなく「養徳」「養性」の部分でお寺の住職の「法話」「説法」は今まで日本人の心の拠り所になっていたのではないかと思います。
僕は古典落語をよく聞きますが、「後生鰻」、「親子茶屋」などで商家の旦那が寺に説教を聞きに行くシーンがありますが、今はそういったことはないですよね。そうした風習が令和になって復活してくれればこれからのお年寄りの心の安定も違ってくるのではないでしょうか?
僕は仏教ですので他の宗教のことはわかりませんが、キリスト教の信者さんは教会でお話を聞ける機会があるのではないですか?仏教もそうなるといいなぁ。
さて、人の死ですが、中医学ではこの時陰陽が分かれると考えています。陰陽は対立しながらも両方があって生命が維持されていくのですが、最後は、まず陰が体外に出ていき、残された陽はそのあと体外へ出ていき臨終となります。
残された陽気が出ていく過程を亡陽と言い、身体は冷たくなり冷や汗が出てきます。一瞬、顔色は赤くなり意識がはっきりしますがこれは仮神と言ってロウソクの炎が消える前に一瞬明るくなるのと似ています。