漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

冬至以降の体の養生。「一躱・二養・三補・四防」

今日はゆず湯にはいりました。おかげで体は温かいです。

f:id:matsuedo:20191222131450j:plain

冬至は一年のうち最も日の当たる時間が短く、つまり陽が最も小さく陰が最大の日です。この日から陽は段々と大きくなるので「冬至一陽生」と言われています。

言い換えれば、陽が新しくスタートする日(陰極之至、陽気始至)で昔の中国では一年の始まりとして考えられ国の儀式が執り行われていました(冬至大如年)

f:id:matsuedo:20191222132115j:plain
中国南部や台湾で冬至に食べる湯圓。赤は陽、白は陰。
さて今回のブログは冬至以降の養生です

一躱・二養・三補・四防

 一躱(かわす)=寒涼の気を避ける

冬至は陰陽が大きく変化し、人体の抵抗力も衰える時期です。冷えを受けやすく病気になりやすいので、寒さや冷えに注意しなければなりません。
特に老人は暖かくしてください。この時期は老人の心臓病が悪化したり脳梗塞が増えます。
頭部、脚、首の保温に注意して北風や冷たい雨があたらないように。また冷たい食べ物飲み物はNGです。

 二養

春夏養陽、秋冬養陰。

陽気の消耗をなるべく抑え、精気を養う(養精)。冬至の養生は「静」。汗がでるほどの運動はNGです。

養心も重要です。イライラ落ち込みなどの長期のストレスは人を疲労させ病気になります。

思い悩まず楽観的になり、煩わしい事に関わらないようにして昼寝や日光浴、足湯などでリラックスするのがよいです。

 三補=冬令進補

中国では「三九補一冬、来年無病痛」「薬で補うのは食べて補うのには及ばない」という言い方があります。冬は「冬令進補」の考えにより補うのにはよい季節です。

飲食で体を補うのが基本ですが生物や冷食、熱い物はよくありません。滋陰潜陽の食べ物が一番良いです。

冬は美味しいばかりか体を補ってくれる食べ物が多くあります。中医学では補益食物を3つに分類します。

温補食物=鶏、羊、牛、ナマズなど。食べ過ぎは体を熱くさせすぎてしまう(上火)。

平補食物=蓮の実、ハトムギ、小豆、ナツメ、ツバメの巣は温めず冷やさずで胃にも負担がかからない。

滋補食物=滋陰益腎、填精補髄できる食物。キクラゲ、黒棗、胡麻、黒豆、スペアリブ、ナマコ、スッポン、イカ、アワビ。

「天寒地凍」この時期には、温補食物をまず選ぶといいですが、あまり熱くしないで少量を回数を多くして食べるのが胃に負担がかかりません。

f:id:matsuedo:20130129142310j:plain
羊のしゃぶしゃぶ。

「三多三少」=タンパク質、ビタミン、食物繊維は多めに。糖、脂肪、塩は少なめに。

飲み物は温かい物を飲みましょう。

 四防=インフル、心臓脳の予防

冬至前後は気温が下がりインフルエンザ、心臓脳の血管疾患が多発します。

01インフルエンザの予防

インフルエンザは伝染力が強く、空気から感染しますので、不用意に人混みには行かないようにして、日常生活では体力をつける運動を取り入れ、適度な休みをとり、ワクチン接種や予防薬物(板藍根など)を服用します。

02 心臓脳血管病の予防

寒冷刺激は心臓脳血管病を引き起こす原因の一つです。

暖かくして薬はちゃんと飲み、定期的に検査を受けましょう。飲食にも気を配り体を鍛えることもしましょう。

精神的には安定した状態でいることも大切です。

早朝は空気が冷たいので狭心症発作を起こしやすです。早朝の運動は避け、10持以降にしましょう。運動もジョギング、縄跳びや球技など刺激の強いものはNGです。

www.kameido-kanpo.com


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ
にほんブログ村