シルバーカーってわかりますか?
下のイラストみたいのです。
足元がおぼつかなく、前のめりになりやすいおばあちゃん達には大変重宝な車だと思います。
こうした状態を中医学では「上実下虚」と言います。
足腰には力がなく、頭のほうが重くなってしまっている状態です。
前のブログで人の体の陰陽について書きました。
実は陰陽の元締めは「腎臓」で、腎の陽を元陽、腎の陰を元陰という言い方もあります。
特に腎の陽気は生命に直結するので(亡陽)、命門と強調することもあります。
老化とともに陰陽は消耗していくのですが、特に背中側は「陽」なので、陽気がなくなってくると背中が曲がります。
陽気が腎に収まらなくなってふわふわと上に上がっていってしまう「浮陽」では、頭は重くのぼせたようになります。
腎は足腰をしっかりさせる働きがあるので、腎陽が弱まるとまるで雲の上を歩いているように、脚には力が入りません。
陽気を元の腎に戻し、脚に力が入るようにする方法を「引火帰元」と言います。
地黄飲子《黄帝素問宣明論方》は陰陽両方を補い、引火帰元し頭ののぼせやふらつきを抑えます(化痰息風)。
シルバーカーに掴まっているおばあちゃんにはおすすめです。