漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

亀とすっぽん

亀甲と鼈甲

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すっぽんは日本でも鍋にして食べたり、滋養強壮のサプリとしても愛用されていますね。

中医学でもすっぽんは薬として使いますが、肉ではなく甲羅です。鼈甲(べっこう)と言います。

クサガメも使いますよ。こっちも甲羅です。亀甲(きっこう)です。

天が「陽」なら、地は「陰」。

亀やすっぽんは地の動物ですから「陰」の力を持ちます。

人間は陰陽のバランスによって生命を維持していますが、老化や生活の不摂生(睡眠不足)、オーバーワークで「陰」が減っていってしまいます。

陰が減ると相対的に陽が上がり、顔が熱くなりのぼせたり、耳鳴りがしたり、足腰に力が入らずふらふらします。ですね。

これらは更年期や高血圧でよく出てくる症状ですね。

こんな症状には陰を足すべく、亀やすっぽんの甲羅を使います。

亀の甲羅は地の陰の力を吸収している腹側の甲羅が良いとされてきました。(実際には背中側も腹側も成分は同じであることが現代ではわかっているのですが)

すっぽんは背中側の甲羅を使います。のぼせを抑えるためです。ちょうど鍋の蓋のようです。

台湾のことわざで「亀はすっぽんに尻尾がないのを笑い、すっぱんは亀の甲羅が凸凹なのを笑う(亀笑鼈無尾)」があります。
「五十歩百歩」という意味で使います。

中医学では両方を一緒に使うことで効果を上げます。

どちらもコラーゲンが豊富ですので、老化による皮膚のたるみ乾燥や骨粗鬆にも効果があります。

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亀鹿仙。亀とすっぽん。

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