漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

新型肺炎と双黄連口服液

中国科学院上海薬物所が中成薬「双黄連口服液」に新型ウィルスを抑制する作用があることを発見し

新華社通信や人民日報が報じたため一気に広がり薬局の前に行列ができたようです。

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北京の医師は、体外実験であり体内のウィルスを抑えられるかは動物や人間の治験など
長いプロセツが必要。

他の専門家は長期間の服用は胃や内蔵を痛め副作用もありうる。

と乱用に警告しています。

黄連が入っているのかと思いましたが違いました。

成分は

金銀花・連翹・黄芩
3つとも清熱解毒の効能があり、味は苦いです。多分この薬はおそろしく苦いです。

この場合の毒とは毒性のある物質のことではなく、熱の極まった状態で熱毒とも言いますが、
経験的にウイルス感染などに使われています。

熱病で使われる薬物であり、寒性で胃を冷やすので長期連用はしません。

葉天士が熱病の経過をまとめた「衛気営血弁証」では、衛分証という熱病の初期で使用するのが
金銀花・連翹

この薬物が処方された「銀翹散」はインフルエンザの初期に使います。

黄芩は中期に使われ「小柴胡湯」の中に入っています。

伝染性の強い熱病は初期から中期に一気に移りますので、この組み合わせは良い、GJと思いました。

日本なら「銀翹散」+「小柴胡湯」でいけるのかな? 柴胡も入るしそのほうがいいかもと思いました。

思うだけです。

葉天士の映画です。葉は簡体字では叶と書きます。


神医叶天士

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