河北省新型冠状状病毒感染による肺炎診療方案《試行第一版》
診療方案では予防でつかう処方を提案しています。
生黄耆15g 炒白朮9g 防風9g 貫衆6g 金銀花g9 佩蘭9g 陳皮6g
以上を煎じて1日2回に分けて服用。一週間から十日間。
黄耆 白朮 防風はこの処方になかで重要で「正気」を上げる効能があります。
つまり自身の免疫能力を上げます。
中医学で言う「正気内在、邪不可干」(正気が体にあれば邪気は侵入できない)です。
この三味の生薬の組み合わせは金元代、四大医家の一人、朱丹渓の有名な処方「玉屏風散」です。
防風は、風が吹いてもなびかないことからこの名前が付きました。
中医学では、風邪(ふうじゃ:外界からの病因素、ウイルス、細菌から花粉、埃、湿度、冷気など)に対して屏風のように体を守ったり、体の中に入りそうな風邪を追い出す(解表)効能を持ちます。しかし風邪を追い出すときに正気を消耗してしまいます。
そこで正気を補う薬として黄耆(おうぎ)を使用します。
黄耆は一身の気を補いますが、特に肺の気を補います。防風が消耗した正気を黄耆が直ぐに補います。
防風が内閣総理大臣なら黄耆は官房長官です。黄耆には益気固表という効能があり、表、つまり肌の守りを強くします。
ではこの気はどこから生成されるかというと脾胃(消化管)です。白朮は脾胃の気を補い気を生成します。
五行で考えると脾胃は「土」、肺は「金」。「土生金」で脾胃の気は肺の気を増やします。「虚則補其母」です。
肺の気を強くする黄耆は鼻から、脾胃(消化管)の気を強くする白朮は口から侵入する邪を防止することができます。
河北省の予防処方の中には、佩蘭が入っていました。非常に香りの強い薬物で唐時代には人々は服に付けていましたが香りで疫病を予防するという考え方からでした。芳香化湿といい、芳香性のある薬物は湿邪を取り除きます。湿気はウイルスが好む環境ですね。
貫衆 金銀花は清熱解毒薬。病毒ウイルスを抑制する効能があります。
漢方の処方と言うのは、それぞれの生薬がチームを組んで効能を発揮します。ワンチームです。
玉屏風散の効能は肺炎予防だけではありません。もともとカゼを引きやすい体質を改善するための処方です。
現代では花粉症の予防や治療にも応用されています。
サンプルが少しありますので、試したい方はメールください。
matsuedo@remus.dti.ne.jp 松江堂薬局まで。サンプル送り先の住所 お名前を教えてください。