漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

邪気と正気

邪気が体に侵入しようとした場合、体の中の正気がこれを迎い打ちます。

邪気は皮膚や、口、鼻から攻め込みます。戦争なら国境ですね。体では肌表です。

肌表の部分で邪気と正気が戦うと悪寒・発熱・頭痛・咽喉痛が現われます。カゼの初期の症状ですね。

この段階で正気が弱っていくと邪気はどんどん体の中に進行していきまず「肺」を攻め込み、発熱、咳が現われます。

この病気の進行過程はカゼだけではありません。

私はがん患者さんでよく経験します。

昨日電話いただいた時には声も大きく元気でしたが次の日に急に亡くなりました。

がんの患者さんと漢方相談していると見た目は大変元気です。しかし血液データは異常です。

本人には病気の自覚はありませんが、邪気であるがん細胞は確実に進行しています。最後には正気は消滅し亡くなります。

がん患者さんは徐々に正気は消耗していきます。自身にはまったく病識はないのですが。

この段階ですぐに正気を補う薬を使わなければなりません。

しかし 病識がないため補う薬は飲まないと拒否される患者さんもいます。

邪気はどんどん進行し正気は徐々に消耗していくという病気の機序を知っている私にはこの患者さんがこれからどうなるか予測ができるので

辛いです。

ご相談に来られた際にはお参りください。送子観音と神農(薬の神様)