漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

中医心理学

中医学的に「こころ」を研究していきます。

悪夢をよく見る

悪夢と心臓 漢方相談薬局にはいろいろな患者さんが来ます。よく悪夢を見る患者さん。子供の頃、寝ているときに耳にムカデが入ったときの恐怖感が今でもあり夢で、カーテンや掛けてあるタオルの間からムカデがたくさん出てきたりして恐ろしくなります。寝てい…

卵入りの漢方薬 黄連阿膠湯 セックス依存症(性欲仮亢進)

黄連阿膠湯《傷寒論》 傷寒論「少陰病、之を得てニ、三日以上、心中煩して臥すことを得ざるは、黄連阿膠湯之を主る」とあります。よく顔がほてります。傷寒論の少陰病というのは心臓、腎臓の機能衰退を表す病証です。そのなかの少陰熱化証のところです。腎水…

感情と身体(2)

七情学説 怒りすぎ=気が逆上する怒りは、抑制された心と考えたほうがいいですね。自分の思い通りにならない、我慢している、緊張など押さえつけられた感情も「怒り」に入れてください。怒り、抑制、緊張は体の中の気の流れを滞らせ、やがて爆発して上にあが…

感情と身体(1)

七情学説 喜・悲・思・憂・怒・恐・驚7つの感情が人を病気にすることがあります。ある感情が持続的に続く場合、または突然襲った場合のいずれかの条件下で感情は発病の原因になります。会社の人間関係、家庭内の悩みなどが持続的な感情になりますし、急な配…

こころと不妊

形神合一論 中医心理学の基本に「 形神合一論」があります。形(身体)と神(精神)はお互いが関係しあっていて分けることはできないということです。人は身体だけ、精神だけ、ということはありえなく、この2つが一緒になって生命活動は維持できます。明代…

東京中医薬研究会

有楽町「東天紅」中医心理学について2時間 お話をしました。「気分障害」よく診られる症例ですがなぜ漢方薬が効かないのか? 意療(心理療法)についてです。懇親会で景品当りました。北京ダックもっと食べたかった。中国料理 東天紅 東京国際フォーラム店…

眠くてたまらない

不眠の逆を嗜眠といいます 朝は活動(陽)・夜は静止(陰)と考えるのが陰陽睡夢論の基本ですなかなか寝付かれないのは陽から陰への移行がスムーズに行われないからですが、逆に眠くなってしまうのは昼間、陽がなかなか大きくなれないからですね。黒いのが陰…

夜中の3時頃になると目が醒めます

雨が降り出す前に帰れました@靖国神社 「夜中の3時になると目が醒めます」 ときどき患者さんに言われます。どうしてでしょうか?これは陰陽睡夢論を知らないと理解ができないのですが人間の身体を廻っている「衛気」は主に防衛力や身体を温める作用を持ち…

なんで漢方薬が効かないか? いわゆるメンタル系

最近はメンタル系の漢方相談多いですね 金元代 四大医家 張子和 メンタル系医案多い生真面目なお嬢さん。大学を出て就職しましたが3年くらい経ってから気分が落ち込んだりイライラしたり、食欲はなくなり2ヶ月で10キロ痩せてしまいました。不眠もありか…

中医心理学講座

漢方相談のための中医心理学 漢方相談の中で精神科領域で苦しんでいる方々の相談はこの不安定な時代、増えていくでしょう。しかし受けての薬局が「メンタル系得意です」みたいな軽い受け止め方しかしていないのは問題です。8月18日は東京中医薬研究会で「…

続続続 お年寄りとの接し方(こころと漢方)

今までのまとめ 老人の生理特徴 身体的能力、智力の衰えの不満足感から「怒り」「憂鬱」を生じやすい。怒りから肝気鬱結になればキレやすくなり、憂鬱から脾気虚弱になれば食欲がなくなり気血ができなくなり体力がなくなる他、心血が不足して不安、孤独感、…

お盆(盂蘭盆会)なので仏教について考える

お盆に先祖供養をする風習 この時期に墓参りをするのは日本だけのようで中国、香港、台湾にはない。中華圏では清明節(4月4日、5日)に墓参り(掃墓)をします。清明節中華圏でも8月(農暦7月)に地獄の釜が開いて霊がこの世に戻る時期なのですが先祖供…

JKの慢性頭痛、眩暈をなんとかしたい!

ある日の漢方相談 女子高校生の慢性頭痛です。頭痛についてはこのブログでもよく紹介しています。慢性の場合には急性と異なり治りにくくまたいろいろな原因があるのです。彼女の場合は弁証は簡単でした。顔色は萎黄で唇の色も薄いです。中医学診断で「一黄五…

日本と韓国 文大統領「盗っ人猛々しい」火病

文大統領「盗っ人猛々しい」 最近の(いや、以前からだが)、韓国の言ってくることには理解しようとしても僕には理解ができないことが多い。理論の飛躍が甚だしくて、大事な箇所が「歴史を直視しない」「妄言」さきほどの「盗っ人猛々しい」にすり替わってし…

続続お年寄りとの接し方 

お年寄りに過度な感情のストレスは禁物です。 年寄りは肝血が虚衰し、神気は虚して疲れ、性情はせっかちで怒りっぽい。怒れば則ち気が上逆して肝気の疏泄機能が失調し、腎臓は精を暗耗してしまいます。そのため怒りを第一の戒めとします。お年寄りは怒ってい…

狐憑きと中医学

7月の「霊会」で羽田住職が狐憑きの話をされました 落語「七度狐」「今戸の狐」「安兵衛狐」vs「狸賽」「狸の化寺」「まめだ」松江さんの薬局にもこれから「狐憑き」来るかも? と言われていましたが、中医学ではどのように考えたらいいのか少し気になり…

続 お年寄りとの接し方 キレやすい老人。

キレやすいのは若者だけではないです お年寄りもよくキレます。身体や頭脳の衰えは否めなく、若いときのようには物事がうまく対処できません。そのため年寄りは欲望(~したい、~が欲しい)といった欲望が彼らにとって満足に叶えられないことが多いです。精…

妊婦のための中医心理学的胎教の知恵 (多動の子供にならないために)(こころと漢方)

「妊娠しました」という電話をいただきました よかったですね。この方は先週どうも妊娠したらしいという連絡を受けていたのですが病院で妊娠と診断されたのです。早かったですね。漢方薬を飲み始めてから3ヶ月経っていないで妊娠しました。漢方薬が良かった…

落語「天狗裁き」と夢をよく見る⇒不登校へ (こころと漢方)

陰陽睡夢論 再び 戦国時代の思想家で道教の始祖の一人、荘子(荘周)の有名な説話に「胡蝶の夢」があります。 [原文] 昔者莊周夢爲胡蝶。栩栩然胡蝶也。 自喩適志與。不知周也。俄然覺、則蘧蘧然周也。 不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與。 周與胡蝶、…

霊が見える、声が聞こえる(こころと漢方)

8月は日本ではお盆、台湾では鬼月です おばけは中国語では鬼です 日本の盂蘭盆会(お盆)の先祖供養と台湾の鬼月の違い 台湾の鬼月(旧暦の7月) 地獄の釜が開き、霊たちは1ヶ月間 この世で自由を謳歌します。ご先祖の霊も出てきますがその他大勢たくさんの…

こころの養生  風水の知恵を取り入れよう(こころと漢方)

人の心は身体の生理活動、病理活動と密接に関係しています 人間の過度な感情はストレスになり身体を病気にするばかりか、正気を虚弱させてカゼなどを引きやすくさせます。やはり精神の修養は大切で、気持ちが伸びやかであればこころは楽しくなり安定します。…

昨日のスピリチュアルの会(霊会)(こころと漢方)

昨日の第4回スピリチュアルの好きな心理臨床家の会 次回から霊会に名称変更されるそうです。心理臨床と中国医学おかげさまで定員に達し多くの皆さまが天気が定まらないのにもかかわらずご参加くださいました。 僕の演題は「心理臨床と中国医学」ということ…

お年寄りとの接し方 中医学的老人介護(こころと漢方)

中医心理学 老人の心理衛生 老人の心理特徴 人生の旅の最終段階 身体の機能の低下だけではなく、経済的生活、家庭における地位、社会的な働き、人間関係などからも老人の心理状態に影響を与えます。老人の肉体、精神はすでに衰えていて過激なあるいは持続的…

夢に助けられた話。虚血性心疾患で動悸、息切れがしていた。

陰陽睡夢論 陽が大きくなると同時に陰は小さくなります。太陽が昇り、人は起きて活動を始めます。 陰が大きくなると同時に陽は小さくなります。太陽は沈み、人は眠くなり寝ます。陰陽をさらに分けます。陰が支配する夜でも、夕方、真夜中、明け方でも陰陽は…

中国医学式 癒やしの音楽は臓腑に響く(4)(こころと漢方)

中医音楽療法(4) 【肺】=金=商音(RE) 商調の楽曲:高らかで雄壮、悲壮。代表的な曲: 《陽春白雪》《塞上曲》おすすめの人:すぐに悲しくなる人・泣きたいのに泣けない人・咳嗽・鼻塞・呼吸困難・カゼをひきやすい効果的な鑑賞時間 15:00~19…

中国医学式 癒やしの音楽は臓腑に響く(3)(こころと漢方)

中医音楽療法(3) 【脾胃】 脾胃の属する音階 五行の土に属する 宮音(DO) 宮調の楽曲 風格があり静か。重厚。 楽曲《十面埋伏》ピアノ曲《melode of the night》《月光》 おすすめの人 食欲不振 食後にお腹が張る 疲れやすい 顔色が黄色い 生理の量が少…

中国医学式 癒やしの音楽は臓腑に響く(2)(こころと漢方)

中医音楽療法(2) 【肝】=木=角 角調の音楽:木の特性は曲直。五季では春。温かくなり万物が萌生する季節です。曲調は優しく爽やかです。 おすすめ楽曲:《胡笳十八拍 《大胡笳》《小胡笳》《小夜曲》《牧歌》 おすすめの人:イライラしてすぐ怒り出す。…

中国医学式 癒やしの音楽は臓腑に響く(1) (こころと漢方) 

中医音楽療法(1) 中国では薬も針も用いずに音楽で治療する方法がありました。 《黄帝内経》では2千年以上も前に「五音療疾」理論が書かれているのです。宋代、孫道滋は欧陽修の「憂鬱症」を「宮声」で治療しています。官声というのは中国の5つの音階の1…

怒りっぽい 落語「小言幸兵衛」

「肝気鬱結」という状態が続くとどうなるでしょうか?怒りすぎは体によくありません「肝火上炎」という状態に一歩上がります。気は流れることができずにやがて逆流しはじめやがては炎上するのです。ちょうどガス管が爆発するのに似ています。こうなると感情…

人の性格と臓腑の関係 落語「胴乱の幸助」

中医心理学の柱のひとつに「神形合一論」があります。神とは精神であり宗教の神様の意味ではない。形は身体です。この2つは離れることはできず精神が作用するには身体が必要であるし身体も精神があって活動できる。また「五志七情論」では七つの感情(喜、…